これは面白い!ギリシャ・アテネのカメラマン、Tassos Vretoosが、アテネ周辺に暮らすセネガルやアフガニスタン、ナイジェリアやエチオピアなどの移民や難民のコミュニティー内の宗教施設を訪ね歩き、仏教、イスラーム教、ヒンドゥー教、キリスト教など、それぞれの宗教儀礼をフィールド録音し、2015年から16年にかけ、写真と音の展覧会を行いました。このCDブックは20ページの写真と、録音素材を元に新たにベーシスト/ギタリストのMihalis Kalkanisが仲間(サックスやリラ)とともに作り上げたスピリチュアル・アンビエント音絵巻です。新大久保や北関東、北陸などと同様、アテネでも移民/難民のの宗教施設の多くは専用の立派な寺院や教会、モスクではなく、雑居ビルやマンションの一角、一部屋に人知れず存在しています。天井の高い教会などと異なり音響的にはお粗末な場所でも、篤い信仰心には変わりはありません。Mihalis Kalkanisは、そんな移民の宗教的法悦を、ジワジワとなぞっています。