メリチェル・ネデルマン、スペインはカタルーニャ〜バルセロナから、一つ違いの妹さん、ジュディット・ネデルマンとの共作でデビューしたのが >2019年でした。その後、2020年には>ソロ・アルバムをリリースしています。そして本作が2023年の新作、3作目のアルバムとなります。
別に、較べる必要もないかも知れませんが、やっぱり姉妹なんですねえ、今年の夏前にソロ4作目を届けてくれたジュディットと、歌声の感じがよく似ています。
そして、本作、一人多重録音っぽいコーラスのカットアップ風再生と、メリチェル自身が奏でるピアノ即興がアンビエントな効果を生んでいるインスト風表題曲から始まって、いかにも80 年代テイスト、まるで、英国のバンド、スーパー・トランプのカヴァーみたいな曲があるかと思えば(後刻、判明したのですが、実際、この曲はスーパー・トランプへのオマージュとして演じられたそう)、70年代北米ニュー・ソウル・マナーのPOPテイストを微妙に隙間あるキーボード・アレンジで再現する曲があったり、そうしたPOPな曲の幾つかをアクセントに、飾ることのない歌声と鍵盤の弾き語りを、爽やかに楽しませてくれる本作でしょうか。
全体、曲想やアレンジより、生の演奏感覚が先行しているようにも聞こえ、その風通しの良さ、リラックスした雰囲気に中から立ち上がる自然な発声、なかなか得難いものと感じます。
1.Suelta
2.Restaurante en el mar
3.Let Them Be
4.No me hablas
5.Déjame
6.Si ets tu
7.Amiga
8.T’esperaré una mica més
9.Las Vegas
10.Deixa’m veure’t