パパ・ウェンバやカルティエ・ラタンを陰で支えたコンゴの音楽家が残したレアな作品!
アフリカの中でもっとも豊かなポピュラー・ミュージックを築いてきたのは、間違い無くコンゴの音楽シーンです。「ルンバ・コンゴレーズ」「リンガラ音楽」「スークース」等々、様々な呼び方が存在していますが、一般的にはキューバ音楽をベースに、ギター伴奏を中心としたアフロな音楽性を持っていて、コンゴで使われているリンガラ語や、フランス語の歌詞で歌われてきました。そのシーンからはグラン・カレをはじめ、フランコ、タブー・レイ・ロシュローなどが50〜60年代に登場、さらにパパ・ウェンバやコフィ・オロミデといった音楽家も続々と登場し、幅広い地域で親しまれるようになりました。そしてその人気はアフリカ全土に広がり、コンゴ音楽の影響を全く受けていないアフリカ音楽は無いといっても過言ではありません。
そんな中、コアなコンゴ音楽ファンの間でもあまり知れていない“陰の大物音楽家”がこちらのマスコット・ド・カタラです。(現在の)コンゴ民主共和国のキンシャサで生を受けた彼の祖父はレコード店を経営しており、幼い頃より音楽と密に接する環境にありました。地元の音楽院に入学して本格的に音楽を学んだ彼は、“オルケストル・キノワ”(l’orchestre Kinois)という楽団を設立し、プロの音楽家としての足掛かりを築きます。そしてグラン・カレ、フランコ、ロシュロー、ウェンバ…といった当時のスターたちと密にコンタクトを取るようになり、さらにはザイコ・ランガ・ランガやカルティエ・ラタンの成功を陰でサポートする役割を果たしたのだそうです。その彼は1988年に発表した“Amour… Academique!”でソロ歌手としてデビューを果たし、その後2000年代までにアルバム数枚を発表。ちなみに90年代初頭にはパパ・ウェンバのアルバムのプロデュースを担当するなど、裏方としても大いに活躍してきました。
本作はその彼が(恐らく)90年代に発表(アルバムには録音年のクレディット無し)したもので、最近になってそのデッド・ストックが見つかったというかなりレアなルンバ・コンゴレーズ作品です。制作はベルギーのA.C.P.というインディ・レーベルが行っていて、リズムマシーンやシンセがフィーチャーされた90年代らしいアレンジがメイン。しかしギターやベースには“Rigo Star”のステージ・ネイムで知られるRigobert Bamundelが全面的に参加し、同音楽を特徴付けている優雅で円やかなリンガラ・ギターを披露。そんなアッパーな雰囲気の中、力強くも親しみのあるマスコットの歌声が全篇で楽しめる内容です。
コンゴ音楽ファンのライブラリーに是非とも加えて欲しい1枚です。(サプライヤーインフォより)
1. Querida
2. Coeur Affame
3. Maximum
4. Dame De Coeur
5. Ndimbola
6. Titanic
7. Salisa
8. Miss Borely