詩人フェルナンド・ブランチの遺作、姪のマリアナ・ブランチが唄うジェラルド・ヴィアナ(g)との未発表歌曲集〜
2015年の6月に急逝された詩人のフェルナンド・ブランチ。ミルトン・ナシメントの数々の楽曲でパートナーとして知られる彼は本作のリリース・パーティーに出演することは叶いませんでした。風光明媚なミナス・ジェライスの風景に、人々の営みに、思いを寄せて詩作を行い、全曲のインタルードとして本人が朗読を行っています。そしてクラシックからバーデン・パウエルに影響を受けたギター奏者のジェラルド・ヴィアナと共に書かれた楽曲たちを、タヴィーニョ・モウラと共演を重ねてきたフェルナンドの姪であるマリアナ・ブランチが透き通った声で唄うというコンセプトの本作。ジェラルドのガット・ギターの柔らかなノートと優雅なキコ・コンティネンチーノのピアノだけという至極シンプルなアンサンブルではあるのですが、そこはメランコリアとセンシビリティの宝庫ミナス・ジェライス、展開やハーモニーに大方の予想を覆す未知の神秘性が盛り込まれ、聴く者は不思議な感触を覚えます。マリアナは叔父とジェラルドのパートナーシップに依る楽曲が何より好きだと語っており、その慈しむような唄い口からも愛情を汲み取ることができます。予定調和から何歩も踏み出したところにある創造的な、なおかつ美しいメロディーと詩情。新しいアコースティック音楽の扉を開けてくれた3人に最大限の賛辞を。(サプライヤーインフォより)