エグレムがリリースするCD-Rでのリイシュー・シリーズ。印刷物も最小限で、ジャケット1枚のみの簡易パッケージ版ではありますが、エグレムに残された“お宝”録音に、改めて触れる機会を提供してくれた、ファンには嬉しいアイテムです。
本作は、キューバ音楽界最初期の女性スターで、トローバとソンの架け橋となった伝説のアーティスト、マリーア・テレーサ・ベラが、晩年にコンビを組んでいたロレンソ・イエレスエロ(ロス・コンパドレスのお兄さんの方)と残した50年代後期録音を復刻。ネネ・アルエらのミニマムな伴奏およびロレンソのギターと2人の歌だけでの演奏で、ソンのルーツへと遡航するような録音ばかりです。枯れた味わいも素晴らしく、これぞ珠玉ですね。代表曲「ベインテ・アーニョス(20年)、マヌエル・コローナやイグナシオ・ピニェイロ、エウセビオ・デルフィンらのナンバー、ミゲル・マタモロスの名曲「ラグリマス・ネグラス(黒い涙)」などなど。
いろいろ調べて見たのですが、LPとして発売された4枚のアルバム、クバネイ盤、パナルト盤、ベルベット盤、エグレム盤から選曲された以外にも、ひょっとすると未発表の録音も入っているような気がします(だとするとちょっとした事件ですよ)。
なお、エグレム盤CD『ベインテ・アーニョス』(CD-0056)収録とのダブリは、12曲。全23曲を収録。(サプライヤーインフォより)