★マリア・デル・マール・ボネット & ボルハ・ペナルバ / ライヴ・アット・ミカレ劇場
地中海の歌姫マリア・デル・マール・ボネット、約4年ぶりの新作は、近年共演を続けて来たバレンシア生まれの男性S.S.W.ボルハ・ペナルバとの気心の知れたライヴ盤。
● スペイン地中海岸のマジョルカ島に生まれた女性歌手、マリア・デル・マール・ボネット。カタルーニャの「ノヴァ・カンソ」の顔の一人としてだけでなく、地中海に根ざした様々な歌、そして近年では北アフリカやキューバ音楽とのコラボレーションなどもおこない、益々深化した歌の世界を聞かせてくれています。
● 歌手生活50周年を越えたそんなマリア・デル・マール・ボネットの2021年新作は、バレンシアのギタリストで歌手のボルハ・ペナルバとのデュエット・ライヴ・アルバムとなりました。
● ボルハ・ペナブラは、1975年バレンシア生まれ。作/編曲、プロデュースもこなす才人で、これまでにルイス・リャック、ミゲル・ヒル、フェリウ・ベントゥーラ、シルビア・ペレス・クルスなど、カタルーニャを中心に新旧のアーティストとのコラボを多数行ってきました。マリア・デル・マール・ボネットとは、2013年にバレンシアの町スエカで、彼女のギター伴奏をしたのが初めての共演だったそうです。ギターもさることながら、その美しい声を気に入ったマリア・デル・マール・ボネットは、その後何度となく共演を重ね、2人のレパートリーを増やしていったそうです。
● 新型コロナの感染が広まる前の2000年初頭に、マリア・デル・マール・ボネットも何度も出演してきたバレンシアのミカレ劇場での公演が企画されました。その後感染が深刻化し開催が危ぶまれたものの、いくつかのハードルを乗り越え、感染が下火になった9月に公演が実現しました。その数日行われたコンサートは録音され、その中からベストテイクが選ばれ完成したのが、本アルバムです。
● スペイン第3の州バレンシアの文化は、第2の州でお隣のカタルーニャのそれとは親戚関係にあると言われ、どちらも地中海に面しています。そんな文化的にも近い2人のパフォーマンスは、リラックスした中に詩的な深さを持つ2人の対話を聞いているようです。そんな2人をバックアップするパーカッションのアントニオ・サンチェスは、長年マリア・デル・マール・ボネットと共演してきたベテランで、的確な伴奏がより2人の共演を引き立てています。
◆ 縦長紙ジャケに60ページのブックレット付き
<各曲の演奏者による簡単なコメント>
1. L’Amor És Mar Desfeta/Digues, Amic 愛は荒波 / 友は言う
いつもコンサートの最初に歌う曲。詩人たちの言葉にのせてお客様を歓迎します。MMB(マリア・デル・マール・ボネット)
2. Horabaixa Post El Sol/Cançó De Bressol 夕暮れ時 / ゆりかごの歌
バレンシアの詩人ビセンテ・アンドレス・エステリェスが幼くして亡くなった娘に送った歌。MMB
3. Nova Cançó De L’Amor Perdut 失われた愛のノヴァ・カンソ
船乗りで写真家でもあり「16人の判事」のひとりであるマリア・デル・マールの兄、ラモンの曲。BP(ボルハ・ペナルバ)
4. Em Dius Que El Nostre Amor 私たちの愛についてあなたは語る
素晴らしいアーティストであるトティ・ソレールの曲。彼の曲ではじめて歌ったもの。MMB
5. No Hi Ha Llum 光はない
Marc Granellの詩。この曲をマリア・デル・マールが歌うというこの世の喜び。BP
6. Homenatge A Teresa テレサに捧ぐ
Teresa Mora Ferrándiz(1899-1952)はバレンシアのアルコイで有名だった女性。貧しい家庭の出身で工場労働者となりその後ホームレスとなったが、そのキャラクターが人々に愛され、SSWのOvidi Montllorがこの曲を書いた。彼女は市民戦争時代の犠牲者と考えられている。BP
7. No Trobaràs La Mar 海は見つからない
初めてバルセロナに出てきた頃のイメージ。初めての愛は孤独だった。MMB
8. Jo D’Aquesta Cançó En Dic Ripoll この曲をリポイと呼ぶ
Joan Oliver(Pepe Quart)がリポイで初めて会ったマリア・デル・マールに捧げた歌詞。BP
9. No Puc Dir El Teu Nom あなたの名前を言えない
ビセンテ・アンドレス・エステリェスの詩にTomás de los Santosが曲を書いた。PB
10. Illa 島
イビサ島のプロジェクトで知り合った人々と歌った歌。島に生まれた人々の為の歌。「そこは私の牢獄であり私の自由、国境は空、砂、海」MMB
11. Podries できることなら
フアン・バルデラマが彼のアルバムのレコーディングに呼んでくれたときに、詩人のJoana Raspall(1913-2013)を知りました。戦争など様々な理由で国を出ざるをえない人々について語りました。MMB
12. Alenar 吐息
大好きなバレンシアで海に向かったバルコニーの扉を開いた時にいつも恋に落ちます。この曲をバレンシアに捧げます。MMB
13. Què Volen Aquesta Gent? 人々は何を望むのか?
ノヴァ・カンソ運動の影の大立て者であるリュイス・セライマ(Lluís Serrahima)の歌詞の有名曲。セライマは2007年に「16人の判事と」のメンバーと共に、カタルーニャ議会の名誉勲章を授与された。
〜以上、メーカーインフォより