南東部アフリカ、ザンビアと並んで手作り楽器音楽が盛んな、アフリカでも最貧国の一つ、内陸農業国のマラウィの二人組だそう。そのマラウィといえば、少し前、トラックの運転手相手に食用ネズミの丸焼きを売りながら演奏していたというマラウィー・マウス・ボーイズがやはり手作り楽器を使ったグループとして話題を呼びましたが、こちらの2人組は、ウッドベース状の手作り楽器”ババトーン”なる弦楽器と4弦ギター、ハンドメイドの足踏みバスドラによるデュエットを繰り広げます。マウス・ボーイズが”ビンボー”さえウリにするシンプルな逞しさで勝負していたのに較べると、こちらは音楽性で勝負? 隣国ザンビアを中心に、ザンビア=マラウィ国境地帯でも盛んな手作り楽器音楽、カリンドゥラのスタイルを踏襲しながら、ズールージャイヴを想わせるババトーンのブンブン唸るベース音と、足踏みドラムのビート、そして4弦ギターのストロークというシンプルな音数の中、たった2人で演じているとは思えない音の組み立て、奇抜なアレンジ、そして、いかにも南東部アフリカらしいハイトーンなデュオ・ヴォーカルによる浮き立つようなユニゾン&ハーモニーが実に魅力的ですね!オレもできたら、こーゆーアルバム録音したい!と思わせてくれる、原初の音楽的衝動?みたいなものに満ちあふれたCDですよ!
★国内盤〜Dさん日本語解説付!
アフリカ南東部の国、マラウィから飛び出した、手作り楽器によってストリート感溢れるサウンドを聞かせるたった2人のバンド、マダリツォ・バンドの世界デビュー・アルバム。
● アフリカ南東部に位置するマラウィは、国土も狭くアフリカの中でも最貧国の1つに数えられ、音楽マーケットも小さいため、現地の音楽状況はなかなか伝わってきませんでした。
● そんな中、スイスの注目レーベル、ボンゴ・ジョー・レコーズ(Bongo Joe Records)からインターナショナル盤が発売されたのが、スラムの市場や結婚式で演奏していたという、たった2人組によるバンド、マダリツォ・バンド(Madalitso Band)です。
● メンバーは、ババトニ(Babatoni)と呼ばれる手作り一弦ベースを奏でるヨブ・マリグワと4弦ギターと手作りのフット・ドラムのヨセフェ・カレケニの2人。リズミックに刻まれるギターにつんのめり気味のドラム、様々な奏法でアクセントを付けていくベース、そこにヨブのリード・ヴァーカルとヨセフェのユニゾン・コーラスが絡み、朴訥としながらも力強く、快活なサウンドを聞かせます。およそ2人で演奏しているとは思えないほどの豊かな音楽性が気持ちよく響きます。
● 2017年には、ザンジバルの音楽フェスティヴァル、サウティ・ザ・ブサラ(Sauti Za Busara)に参加し話題となり、今年(2019年)もイギリスのウォーマッド(WOMAD)などへの出演が決定するなど、ヨーロッパのフェスでは、引っ張りだことなっています。
● 日本盤にはD氏による、情報の少ないマラウィ共和国の音楽と南アフリカ共和国など周辺諸国との関係などを記した、日本語解説が付いています。
1. Vina Vina Malawi ヴィナ・ヴィナ・マラウイ
2. Naphiri 荷物をまとめて出て行こう
3. Mita ミタ
4. Chikondi Cholawa 愛の味
5. Nambewe ナンベウイ
6. Wasalala ワサララ
7. Moyo Wa Lelo マヨ・ワ・レロ
8. Chinakulaka チナクラカ