LEONORE BOBLANGER / FEIGEN FEIGEN


★レオノール・ブーランジェ「ファイゲン・ファイゲン」

leonoreboulanger彼女がときとして外国語で歌うのは、コントロールできない言葉を発して、曲に異和感をもたせるためだ。そしてその感覚はフランス語にもある。
「歌詞を意味から解放して、音として捉えなおしたい。
言葉が語法から離れたとき、声は器楽性を取り戻す。
すると歌の芯がふくらみ、祈りや愛撫や雷やグロソラリアになる」
と、彼女は語る。
グロソラリア(異言)とは宗教用語で、精霊が使徒たちに授けた、各国の人々に理解されるように話す能力であり、恍惚状態で発せられる言葉だ。
(ライナーノーツより抜粋)

蛇が三度目の脱皮をした 青い季節 折った紙の背で あなたたちは 最初の鏡を通過した
BY レオノール・ブーランジェ

01. BLUETTE  軽やかな物語
02. TORNADE 旋風
03. TOURNER 回転
04. LE SIGNAL 信号
05. MON TOUT 私の全体
06. LES QUESTIONS 問いかけ
07. MINUIT 真夜中
08. TOQUADE 熱中
09. SHIVA GRIS 灰色のシヴァ像
10. BLAUES 青
11. LONG FREDON 長いリフレイン
12. GRIMPER よじ登る

*Léonore Boulanger
Vocal Jew’s Harp Harmonica Slide Whistle Voice Recorder Practice Chanter
*Jean-Daniel Botta
Vocal Guitar Piano Harmonium Balafon Double Bass Duduk
*Laurent Sériès
Percussions Rusty Drums Piano Harmonium Balafon Typewriter Kalimba Vocal

ビョーク、フアナ・モリーナ、ジョアンナ・ニューサム、
リジー・メルシエ・デクルー、メレット・ベッカー、コリーン
アクサク・マブール、スラップ・ハッピー、アルベール・マルクール、
といった先達たちの作品群と同様に
真にヴィジョナリーでアンビシャス、
プリミティヴでイマジナティヴ
本年度最重要作の一枚に選ばれるであろう
恐るべきアルバムの登場です。
アフリカの伝統音楽、
映像作家マヤ・デレンの作品におけるTeiji Ito の音楽、
ハリー・パーチ、メレディス・モンク、ジョージ・クラム
といった音楽家たちへの深い関心から学んだことも
このアルバムには色濃く反映されています。
学究肌の優等生かと問われれば
答えはノンであることはアルバム一枚じっくり聴いていただければ。
アルバム中盤以降の見事な流れは
アルバム「Blues Du Jour 」の頃のマヘル・シャラル・ハシュ・バズを思い起こさせます。
圧倒的なまでに創意工夫、創作で遊ぶ歓びに溢れた
手作感覚満載な録音芸術。
様々な音楽要素を解体し、組み直したかのような
作曲、編曲の妙は実に新鮮なものでほかにあまり類を見ない
新しいものとして響くことでしょう。

ピエール・バルーが1965年に創設したレーベル「SARAVAH」
その初期リリース作品の数々を思い起こさせると
近年ここ日本でも注目を集めつつあるフランスのレーベル「LE SAULE / ル・ソール」。
2014年にリリースされたAntoine Loyer (アントワーヌ・ロワイエ)の
2nd album ” Chant de Recrutement ” が発見され、注目を集めました。
「LE SAULE / ル・ソール」はこの場から作品をリリースしているアーティストたちによる協同体。
リリース作品を開くとクレジットなどからもアーティスト間の協調関係がうかがえます。

本作の中心に立つ、レオノール・ブーランジェは
パリで演劇、実験的な即興音楽、ペルシャ音楽を学んでいたといいます。
フランス人フィルムメイカー、ヴィンセント・ムーンを中心とした
La Blogothèque Take Away Shows の一連の映像作品や
よりディープなCollection Petites Planètes シリーズで親しんでいた方も多いことでしょう。
下記リンクにこれまでの映像をまとめました。
http://windbelljournal.blogspot.jp/2016/08/leo.html

このアルバムは彼女にとって三作目となるアルバムで驚くべき飛躍を遂げています。

パリとベルリンを行き来し、鍛冶職人の工場で録音されたというこのアルバムの音像は
コンピューターを基点とする過剰なポストプロダクションの沼に陥っていない、
無理のない自然さ、しなやかさ、生々しさに溢れています。
その音楽は多様な要素を調合した複合的なものでありつつ、大変素朴で摩訶不思議ですらあります。
アルバムを彩るアートワークは約四十年前にエストニアの画家、Vello Vinn によって描かれたもの。
この画が想起させる奇妙なフェアリーテール、夏の日と冬の夜を行ったり来たりする蜃気楼の先に見える
幻影を音で映写するような、マジックリアリズム感が拡がります。
アルバムのタイトルとなっているFEIGENとはドイツ語で無花果のこと。
8曲目の冒頭僅か10秒挿入されているフィールドレコーディング、
ベルリンにある市場の喧噪の中に響く、トルコ人のイチジク売りの威勢の良い音楽のような掛け声からでしょうか。
草花が育つように日々変化していった音楽の断片の数々が
見事に一枚のアルバムにまとめあげられています。
(以上、メーカーインフォより)

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