レオニダス・バラファス、1981年アテネ生まれ(両親は内陸テッサリアのカルディツァ・オリジン)07年デビューの男性SSWの2014年新作 / 4作目の2CDです。レベーティカ・ルーツをリスペクトしダイレクトな伝統回帰路線にてアコースティックかつディープなソングライティングを聞かせます。ま、故ニコス・パパゾグルーの音楽性をよりレベーティカ風味を濃くして受け継いでいるような雰囲気ですが、…ともあれ、その07年のデビュー作5曲入りminiCD>☆ や同じく09年の最初のフルアルバム、 10 / 12年のセカンド&サード・アルバムはミクスチュアー系のグリークROCK流儀作だったので、本作がレベーティカ路線の第1作目!ということに。しかし本作 “APILIOTIS ” に少々遅れてリリースされた>こちら14年における2枚目の新作(=5作目のアルバム”ANIFORIA”)はまたまたグリークROCK流儀の作。
〜ということで、いったいどういうコンセプトのもとに、レベーティカ系のアルバムをリリースした二重人格なのか?その辺、実に気になるところ。それに加えてデビュー時のアイドルっぽいお顔と現在のド渋な容貌への変化、そこら辺も実に興味深く、どうしてそんなにシブく成り急ぐのか?今後もルーツ歌謡風味満点のアルバムを出すつもりなのかどーか、是非お尋ねしてみたいところですが、ま、そういうことごとくはとりあえず置いておいても、ロックやPOPを経由しつつ、ギリシャ大衆歌謡の原点を踏まえたこの人なりの歌のあり方というもの、まだ33歳なのに本作において十二分にdeepです。ギリシャでの評判はなかなかのもので、既にトップミュージシャンの仲間入り、ガンガン全国でライヴをこなしている模様。こういう人が突然現れるからやめられませんねグリークCD漁り(というか、こっちが突然気づいただけですが)。〜要するに、ギリシャ音楽における”ネオ・トラディショナル”路線ということになるんでしょうか、やっぱり。
それで、とりあえずこの2枚組を聴いていたら、“風来”という言葉がぽっかり想い浮かびました。ワンマンバンド、というか旅芸人風(紙芝居?)のジャケの出で立ちそのままに、自由な空気が感じられる作品です。足の向くまま気の向くまま?昔の弾き語りグリーク・ブルース?というか、ま、よーするに古いレベーティカの雰囲気の再現ですね、それが再現にとどまらない歌心キッチリ伝えてくれるところがミソ、オススメできます。
☆Leonidas Balafas / As Rihni Kai Halazi (2012) 2CD 廃盤品切れ
レベーティカ路線ではないものの、この ANTART STUDIO メイドのこの3作目2枚組は2014年作を予言していますね。すべて生音一発録りにて、それまでの録音にあったPOPな色彩は減退し、ギリシャ色が深く滲んだ仄暗いフォーキーなミクスチュアーロック流儀の作品になっています。これはこれで、聴き応え十分です!