KATERINA TSIRIDOU / OPOU KI AN EISAI GURISE

KaterinaTsiridou2014ギリシャ大衆音楽の源となった戦前のレベーティカ〜戦後ライカの揺籃期にこだわり、ピアノ、ギターほかギリシャの弦楽器を弾きこなす才能豊かな女性歌手、カテリーナ・ツィリドゥ(1974-)の2013年作です。ブズーキ&バグラマー、ギターというレベーティカの基本伴奏において、マルコス・ヴァンヴァカリスやヴァシリス・ツィツァーニスはじめ、20世前半〜半ばの曲を、この人らしい歌い口、淡々と哀切を秘めた節まわしで綴る佳作です。ところで本作には、先輩格のグリケリアが参加、1曲まるまるソロ・ヴォーカルを聞かせていますが、コレが、こわいくらいにレベーティカ声そのもの、枯れて、くぐもっていながら芯のある声で、東地中海の青江三奈とでも呼びたいような喉を聞かせていますが、それはソレで聴きモノであることは確か。でも、ともすると、聴きようによっては、あざとさ? みたいなものを感じさせるかも知れないグリケリアに較べると、カテリーナ自身の歌声、ごくごく自然に20世紀前半のレベーティカ〜初期ライカ・スタイルに溶け込んでいて、“再現”という感じがまるでしませんね。そこんところ、見事というほかありません!

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