バスクの雄フェルミン・ムグルサの実弟イニゴ・ムグルサが、ネグ・ゴリアック解散後の96年に結成したグループ(現在は解散)、ホシェ・リピアウの2000年ラストアルバムが日本語解説付きで再発。ドラムス、トロンボーン、アコーディオンにイニゴのギターと歌という音数少なめの編成で、スペイン~ラテン~バスク音楽が2トーン・スカ化したサウンドを聴かせる。アルバムのタイトル「悲しくも美しき世界」とはジム・ジャームッシュの映画「ダウン・バイ・ロウ」の中でトム・ウェイツが口ずさむ歌の歌詞から取られているらしく、なるほど、モノトーンな歌い口が旅心くすぐるような仕上がりです。日本人女性やモロッコ人女性歌手が参加した歌も、旅先の男と女の偶然の出会いと別れとでも言いましょうか。バスク流ローンレンジャー密かな充実作!