あっけなく、円安になってしまい、こーゆーお値段になってしまいましたが、そういうことはともかく、現在はフランスを拠点に活動するカビール歌謡の重鎮、イディール2013年の新作が入荷してきました。メジャーSONYからのリリースということで、とうとうメジャーに残ったわれわれの親しんできたアルジェリア系の歌い手は、このイディールとハレドのみとなってしまいましたね。それにしても、完全なソロ作スタジオ録音としては20年ぶり!ということに驚きます。 >>07年の前作は豪華ゲストを1曲づつ迎えてのゲスト作品。その前の05年作はライヴ盤、その前の1999年作も多数ゲストを迎えてのコラボ作品、その前は変則ベストCD~ということで、ほんと、久しぶりのソロ新作なんですね、これが。で、この20年ぶりの新作、90年代前半のひと昔前とどう変わっているかと言えば、1曲目がスタイフィばりのベルベル・ナンバー、アフリカンな曲やラテン調もあり女声とのデュオもあり、ベートーベン!?あり(第九をベンディール&ネイのみで)、そして終盤サイモン&ガーファンクルの“スカボロ・フェアー”もあり、ということで、メリハリがありますね….完成度、アイデアともに充実しています。でも、やっぱり基本的には、あんまり変わってないわけですね、ギター弾き語り中心、カビール語の歌い口も淡々と、結局、語りかけるような言葉をシャアビっぽいメロディーに乗せて聞かせるところへと重心は落ち着いているアルバムだと思います、ハイ。で、結果、もちろん良かったと思っています。(そして、ハレドを陽とすればイディールは陰、これがアルジェリアを代表する2つの声だと思ってもいます。)