HK(アシュカ)の新作ですね、本名 Kaddour Hadadi 元ラッパー(ex “M.A.P.”)在仏アルジェリアン(カビール系)の出自を持つ1976年生まれ。本作は自己名義としては3作目(うち一作はダウンロードのみ)。HK&サルタンバンク名義の作を含めれば、7作目のスタジオ・アルバムとなります(去年、いつの間にかリリースされていたカナダ、モントリオールでの>ライヴ2CDを入れれば8作目)。もちろん、この作にもサルタンバンクのメンバーは参加しているわけですが、ほか、南仏オクシタン&フォホー・バンドのボンベ2バル男女メンバーが2曲で参加、オルケストル・ナショナル・ドゥ・バルベスのアコーディオン奏者で歌い手、メフディ・アスケルや、やはりマグレブ系と思われる男性SSW、 ALEE(Ali Mouni, ex “Le Collectif 13″)、あるいは、スペインはバスクのラッパー、オデイ・バローソも参加、加えて、アラゴンやプレヴェールの詩も歌っていて、いつもよりヴァラエティに富んだ作であることは確かです。なので、HKならではのアルジェリアン・シャアビっぽいメロディー・ラインにおいて、シャンソン、ラガ、ラップ、クレオール風と並んだ曲もいつもより様々多彩な風合いを感じさせます。
冒頭、子供たちとのコーラスで始まる表題曲 “Petite Terre” 〜小さな地球、小さな咳、どおってことない熱、そう人は言う、意味不明から解放されようと、そしてバランスを崩し、互いに支え、息をひそめ震えるだけ、先のことを考えることもできない… 云々(すみません、訳は実にテキトーですが)、これはやっぱりコロナ禍の世界を歌っているんでしょうね。全体として、プロテスト歌手としての勢いは減じているのものの、シミジミとしたダウナーな雰囲気が、やけにフィットしてくる今日この頃な作品です。
1 Petite Terre 4:44
2 Le Roubaisien de Bergerac 3:46
3 Berbère ou Breton 4:24
4 Eldorado 5:12
5 Hier à peine 3:42
6 Les Fainéants sont dans la rue 3:47
7 Le chant des Artisans – Artisauen Kantua 4:57
8 Automne Occitan 4:52
9 Pour les autres 3:48
10 La fin du Moi, le début du Nous 4:27
11 Nos vieilles chimères 4:19
12 Balance ta babouche 3:15
13 Alors on change ! 3:41
14 Slimane 4:41
15 Une petite musique 4:28
16 Un autre rendez-vous 4:47
17 Joyeux Faucheurs (Bonus Track) 3:40
>こちらで知りました。今回もやっぱり、お高くなってしまいました。円安もありますが…CDの流通が悪くなる一方ですねえ、すみません!
▽このシャアビな出だし、サイコーですねえ、