平田まりな / 加那 -kana- 古典コンテンポラリー〜すべての愛しきに向けて

お待たせしてしまいました!久々の再入荷です!
奄美です。“グィン”と呼ばれる独特な歌唱法だそうです。漢字で書くと“吟” となるそうですが、瞬間的にファルセットのように高音で伸びる裏声を翻し、低音域の地声へ戻っていく、幅広い高低差を行き来する奄美に伝統的な、ダイナミックな節まわしのことだそうです。そんな歌声に加えて三線も、沖縄のそれより大きく頑丈にできているそうで、ダウンストロークで主に旋律を奏でながら、アップストロークで返すバチで弦をハジき、拍子を取りつつ演奏していると聞こえます。
沖縄の三線は、ギターのピックで演じられることが多いと聞きますが、奄美では、竹べらや亀の甲羅、べっこうのヘラをバチに使うこともあるそうで、よくよく聴けば、なるほどダイナミックな演奏です。加えて、棹で弦をおさえて音程を取る左手指でもハンマリングのように弦をハジき、三線弾き語りに微妙なリズム感とサワリを加えているように聞こえます。
加えて、この2作目となるCDには、平田まりな自身の祖母であり師匠筋である松山三枝子がお囃子で参加、起伏に富んだ平田まりなの歌声に、ヴェテランらしい野趣を感じさせる歌声で応じ、いっそう変化に富んだ歌&演奏となっています。
けれど、そんな裏声と地声の高低差を行き交うダイナミックな節まわしも、拍子と旋律を同時に紡ぐパーカッシヴ?な三線妙技も、そして野趣漂うお囃子にしても、聞き手にあっては、激しさとも妙技とも変化とも聞こえず、どこか遠くに寄せては返す波の音でも聴くような、ゆったりと静かな気分に馴染んだ歌であり演奏と聞こえるわけです。
まあ、それが民謡というものなんでしょうね。長い年月、多くの人手を経て形を整え、 様々な修練やアイデアの積み重ねの中で淘汰されて来たものだからこそ、 古典として、コンテンポラリーとして、今もって瑞々しい響きを保つことができるんでしょう。

そこからもう一歩ジャンプし、本CDのラスト7曲目では、西平せれな(西平酒造杜氏&音楽家)のハングパン演奏と対話するように、平田まりなは歌っています。途中から三線も加わり、他の収録曲より少し喉を開放した “古典” を聞かせます。ハングパンの澄んだ響きと“古典”の相性は思う以上に気持イイものと知らされます。それも、古典にこだわればこそでしょうか。

平田まりな
奄美市名瀬出身。6歳から祖母であり唄者である松山美枝子に島唄を習い始める。 民謡民舞全国大会内閣総理大臣杯5位、第38回奄美民謡大賞受賞など、幼少期から奄美や全国各地の民謡大会で数々の賞を受賞。 現在は奄美、関東圏を中心とし、また国外でも島唄及び奄美を広める活動に邁進中。東京では平田まりな三味線教室を開講、奄美では島の心を伝えるべく、子どもたちへの島唄継承にも励む。 また舞台女優として役者業など多方面へ活動を挑み続けてる。(リリース・インフォより)

1 上がれ世ぬ春加那 3:07
2 ヨー加那 4:18
3 嘉徳なべ加那 3:51
4 むちゃ加那 5:08
5 いそ加那 6:02
6 行きゅんにゃ加那 2:38
7 行きゅんにゃ加那 (feat. 西平せれな) 4:01

>こちらで紹介されていますね(無断リンク陳謝&感謝)!

go top