2009年に復刻されていたようですが、不思議と手元に届かなかったCDです。へティの初期POPクロンチョン名作〜LPも出ていたのかも知れませんが、カセットで流通していたアルバムかと(by カセ男さん情報)。で、実は当方も聞いたことがなかったのですが、コレは素晴らしい!ま、へティはいつも素晴らしいんですが、バックのトラディショナルなクロンチョン加減 mixedPOPさ加減のまったり&爽やかな匙加減が見事!なので、いつにも増してへティのやわらかに伸び上がる歌声の涼やかさが、上品に香る気取りない南国情緒を伝えてくれるのでした。たぶん、まだ20代そこそこの歌声です。
アナログっぽいシンセのメロディーも時折り聞こえて来ますが、後年のPOPクロンチョンに聞かれる合成甘味料っぽい音色とは違うし、勘所で弾かれるマーク・ノップラー風?というか、ハワイアン風でもあるギターがまたイイ味、インドネシアっぽい空気感を醸しています。そしてもちろんクロンチョン・ギターの細やかにリズミカルなカッティングは全編に聞こえ続けます。
それにしても、へティ・クース・エンダン、なんて癖なく衒いなく外連味なく、自然に歌が上手いんでしょうね。歌というものはメロディーをうたい体現するもの、という、アッタリ前のことを鮮やかに痛感させてくれます。〜おそらく1980年初め頃の録音と思われますが、往年のPOPインドネシア男性歌手、作曲家にしてアレンジャーの故 A.リアントのディレクションで録音された作ということで、A.リアントの名曲 “LAYU SEBELUM BERKEMBANG”がクロンチョン仕様で冒頭を飾っています。〜当然、ヘティのPOPクロンチョン・ヒット作『ハティ・ヤン・ルカ』や快作『うぶ毛がそそり立つ』よりも、もっともっと前の作品ということで、ジャケのたたずまいも可愛らしいですね!
1 Layu sebelum berkembang
2 Pohon yang rindang
3 Berpisah diteras St. Carolus
4 Ditepinya bengawan solo
5 Hati tertusuk duri
6 Kroncong patah hati
7 Ingat masa depan
8 Gambang Semarang
9 Teringat selalu
10 Semalam dicianjur
11 Ditepinya sungai serayu
12 Kini jauh sudah