90年代から何度か来日もして、日本国内でもフィリピンを代表する才女、伝統継承派のタガログ語SSWとして知られているミンダナオ島生まれ、グレース・ノノ(1966 -)ですが、2010年にこんなCDを出していたとは知りませんでした(通りすがりのKさんご教示いただきました)。その特徴的な歌い口がプログレファンに絶賛されたり、エンヤ風エレクトロ路線な静謐路線のアルバムがあったりと、その音楽性は意外と多彩ですが、この最近作、伴奏はギター類ストリングス重奏で統一し、その音楽は旧々宗主国?16世紀以来、フィリピンを植民地化したスペイン〜南欧系音楽を想わせます。もちろん、南欧風のセブ語民謡(ここではタガログ語ではなくセブ語だそうです by Karasawa さまご指摘) / 舞踏音楽は(これまで、ノノは取り上げていなかったと思いますが)現地に今も盛んですから、何の不思議もありませんが、この人が歌うとまた本来とは一味違う迫力で聞こえるから、不思議。