ガムゼ・マトラジュ、マケドニアのキョプリュリュ(ヴェレス)地方の村からトルコへ帰還した音楽一家の生まれで、有名なクラリネット奏者、アイトゥンチ・ネヴザット・マトラジジュの娘だそうです。幼い頃からバルカン、マケドニアの音楽に親しみ、ことにルメリの民謡を歌い続け(父から引き継いだ膨大なバルカン音楽のディスク、テープのコレクションを、今もって聴き続けているそう)、大学でトルコの声楽も学んだという才媛、父親直伝でクラリネットも演奏するそうです。
というわけで、見逃していました。トルコ、伝統音楽の老舗レーベル “Kalan” から2016年の夏にリリースされていたというこの作、遅ればせながら初入荷です。
基本、トルコ語で歌っています。バルカン・ブラス系の軽快なナンバーや、いかにもマケドニアのルメリ風歌謡や、アナトリアのハルク風と感じられる曲など、様々な解釈、様々にカラフルなアレンジの中で16曲(2,3曲あるロックぽいアレンジ使いは、ちょっといただけないのですが…)、哀感と裏腹に通りよい明朗さも備えた達者な歌声を聞かせてくれるのでした。
既に18、19年とシングル録音(youtubeあり)もあり、そろそろ新作が出そうなこのガムゼ・マトラジュ、次作も楽しみな存在です。