バタビア(ジャカルタの民地時代の名称)のブタウィ(インドネシア全域はもとより東南アジア各地から労働力として集められた人々の末裔)による下町ソング(もとは軽演劇の舞台音楽)=ガンバン(木琴)・クロモン(ゴング)〜その名の通り、木琴と青銅ゴングで演奏される陽気なお祭り歌謡です。そんな民俗をよりポップ化したのが、70年代に人気俳優兼歌手として活躍したベニャミンS(浅草の渥美清みたいな存在?)でした。彼の音楽は “ガンバン・クロモン・モデルン”と呼ばれているように、ガンバン・クロモンのモダン化 / POP化を推し進めました。そんなベニャミン亡き後、廃れかかっているガンバン・クロモン・モデルンを継承し旺盛なのが、この 男女歌手種を擁する “NAGA SARI” グループ。で、この2012年作、>前作 以上にアップテンポ、ビートを強調していますが、その意味での “koplo” ということになりますか?にしても、歌い手達のテンションの高さ(音程狂ってる?)、並走するバックのアンサンブルも歌声と競うように先へ先へと進んでいきます。洋楽化ではないグルーヴの強調、とでも言えますか?面白いグループです(ま、もっと、まったりゆったりしたガンバン・クロモンの方がブタウィらしい、という意見もありそうですが…)。