新シリーズ“The Journey of Sounds”スタート!
大航海時代以降世界に広がったポルトガル音楽の種を探して〜第一弾はインドに息づく音楽!
アマリア・ロドリゲスがブラジルで残したデビュー録音全てを収録した『アマリア 1945』(PVR-5381)という作品を先にライス・レコードからリリースしましたが、それを制作したのがポルトガルの“Tradisom”というレーベルです。ファドをはじめとするポルトガルの様々な音楽や書籍、DVDなどをリリースする同レーベルが誇る重要なカタログをこの度ライス・レコードから順次国内発売することにしました。それがこの“The Journey of Sounds”というシリーズです。
これは1998年に行われたリスボン万博の際、ポルトガル・パヴィリオンの公式CDとして発表したもので、大航海時代に大きな役割を果たしたポルトガルが世界各地に残した文化的痕跡を、音楽を通じて辿るといった内容です。本シリーズは全部で12タイトルがあり、ブラジルやカーボ・ヴェルデといった国はもちろん、アジアやアフリカで統治した国・地域にもスポットをあてて、その影響をCDと豪華ブックレットを通じて紹介しています。
そして今回第1弾に選んだのが、かつてアジアにおけるポルトガルの海洋文化の拠点としていたインド西部のゴアの音楽。ゴアは1961年までポルトガル領として支配されていただけに、いまでもポルトガル色が色濃く残されています。そんなゴアで知られているのが、その地域の言語であるコンカニ語で歌われるポピュラー・ソングの類ですが、ここではさらにマンドー(mandó)やドゥルポッド(dulpod)と呼ばれるゴア特有の音楽スタイルを、ガヴァーナという大所帯グループの演奏で聴かせます。カトリック文化圏の影響を感じさせるコーラス・ハーモニーと、時折飛び込むインド〜東南アジア特有のエキゾティックな旋律は、まさにヨーロピアン・テイストを加味した南洋歌謡の味わいが感じられ、その優雅さはインドネシアのクロンチョンにも匹敵すると言って過言ではありません。
もちろん解説ではそれぞれの音楽の文化的背景に触れ、どのように独自の音楽が誕生したのかについて言及。さらに付録されている豪華なブックレットは資料的価値も高く、民俗音楽ファンにもアピールできる内容となっております。
なお今後はスリランカやインドネシア、マカオ、モザンビークなどのリリースを予定しています。
(参考映像)