“夜の帝王” 改め “渚のエンペラー” と、ま、どちらかと言えば意味不明ですが、そーゆうことはともかく、去年末にリリースされたフェルハット・ギョチェルの新作をやっとご紹介できます(入荷の度に品切れのため)。>前作ではトルコのヨルゴス・ダラーラス状態を極めていたフェルハットですが、今作でも、やっぱりダラーラスを目指しているように聞こえてしょうがないということはあります(当方の勘違いなんでしょーけど…)。もちろん、トルコならではの喉を少し絞って高音域の声を出す悲愁表現場面も多々ありますが、この人の場合、絞ったかと思えば幾らも待たずに喉の力を抜くその間合いがイイ、というか、ヨルゴスなんですねえ、その後の力を抜いた歌い口、実にコレが…。上質トルコ歌謡らしい風合いの抑えたアレンジが演出するドラマティック加減、基本アコースティックな弦アンサンブルと流麗ストリングスが前に出るバッキングのコナレ具合と相俟って、すべての演出は歌を聴かせるため、他意はナシ、というムードが清々しいと言ってもいいくらいの作となっています。