出ましたねえ…フェミ・クティ~7年ぶりのスタジオ録音新作です!異母弟のセウン・クティがとうとうファースト・アルバムをリリースしましたから、負けてられない?ということでしょうか…。で、セウンが偉大なる父のバンドをそのまま受け継ぎ、アフロビートの正統継承権?を主張するようなアルバムを作ったのに較べ、このフェミ、偉大なる父とは違う道を行くと、これまでの道程で示して来たわけです。もともとアフロビートというのは、ある意味、虚構の音楽ですから、つまりクリエティビリティの問題ですから、継承権も何も無い、好きなように演るだけという姿勢、この新作でも貫いているように感じます。父のバンドは弟に継がせ、自分は自分なりにやる、こういう兄がいてからこそのセウンの音楽性が成立したということを考えれば、やっぱりフェミの方が一段上でしょう…?というわけでこの新作、フェミ流儀のアフロビート仕切り直しとも言えそうな、生音のみの演奏がとにかく新鮮!ジャズ、R&B、レゲエ、ラテン的な要素を実に巧みに消化したフェミ流アフロビートが、じっくり練られて炸裂していますよ!キイ・ポイントは各種打楽器によるリズム・パターンの緩急軽重自在な面白さ、ブラスやオルガンを前面に出したアレンジの変幻自在な面白さ、もちろん、ヴォーカル&コーラスの表現力もこれまで以上、聴き応えあり。オススメしましょう!