ベリサリオ・ロペスでのピアノ奏者を経て、オルガ・ギジョーのオーケストラやコンフント・シボネイ(イソリーナ・カリージョやマルセリーノ・ゲーラらが参加)のリーダーを務め、セリア・クルースのサンテリーア・アルバムにも参加した、キューバの伝説のピアニスト兼作編曲家、ファクンド・リベーロ。彼はまた、ロス・リベーロというモダーンなキューバン・コーラス・グループもプロデュースし、まさにフィーリンの先駆けとなるような録音も残しています。
本作は、晩年にVELVETに残したピアノ・アルバムのストレート・リイシューCD-Rです。彼のピアノの他には、ベース、2~3人のパーカッションがバックを固めています。そんなオーソドックスな編成で、ファクンド・リベーロのピアノは、レクオーナなどのクラシカルな響きから最近のラテン・ジャズのエッセンスまで覗かせる振り幅の広い音楽性を聞かせてくれます。そして、その響きやコード感がやはり、モダーンな色合いで統一しているのも、さすがキューバ音楽モダーン化の主役の1人だったファクンド・リベーロならではではないでしょうか。