ENSAMBLE CHANCHO A CUERDA / POSDATA

ここ日本でも著名なジャズ・ミュージシャンやジャーナリストに高評されたソロ作を発表したナウエル・カルフィ(p)、生ギターの弾き語りで同世代S.S.W.の楽曲を解釈するなか、前代未聞の”Lucy in the sky with diamond“を披露したニコ・ラリス(vo,g)、大御所シンガー – リリアナ・エレーロの歌伴も務めるアグスティン・ルメルマン(drs)、インプロ成分多めのイマジネイティヴなサウンド・スケープを展開するエル・スエニョ・デ・ロス・エレファンテにも参加するマヌエル・ロドリゲス・リバ(cl)、幾つかの室内楽プロジェクトの他、映画音楽も手がけるフリアン・ガライ(b)などツワモノが揃いもそろった、アンサンブル・チャンチョ・ア・クエルダ。 クワイエットな成分からシアトリカルな展開までを含み、アッと驚かせた「Contrastes」(2010)、エグベルト・ジスモンチやジョー・パスの楽曲を再構築してみせ、栄誉あるガルデル賞にも輝いたカフェ・ビニーロでのライヴ実況盤「Subversiones」(2012)、続いて分解・再構築をテーマに掲げた「Deconstruccion」(2014)。それぞれプレイヤーが持つ妙技がカオティックに絡み合い、いつしかダイナミズムや流麗なるハーモニーを生み出す、という独特のパフォーマンスはウルグアイの著名なフェスティヴァル – ジャズ・ア・カジェや、オスカー・ニーマイヤー設計のサンパウロ・アウディトリオ・イピラプエラでのフェスへと招聘。世界的に注目が集まるなか発表されたのが本作「Posdata」。

ポルテーニョ気質というべきごく私的な世界観を詩的に綴った”Mi universo”、南米でも翻訳出版されている川端康成「山の音」にインスパイアされたという”Montaña”はクワイエット、寂寥感が漂うインストゥルメンタル、クラリネット奏者のマヌエルが子供のころ過ごした街の風景をシネマティックな室内楽におとしこんだ”Junin”、メリーナ・モギレフスキーの鳥のさえずりにも似た唄声とエクスペリメントな音が絶妙にマッチする”Luz”は作詞がブラジルのアルナルド・アントゥネス、そしてシアトリカルなインスタレーションを思わせるピアノ奏者ナウエル作の佳曲”Polvaderal”にはレシーフェのフルート奏者エンリケ・アルビノが特別参加、フォルクローレのレジェンド、アタウアルパ・ユパンキ”Guitarra dimelo tú”の斬新な解釈、どこか共産圏を思わせるオリエンタルな室内楽アンサンブルの”Prisma”、ロシアの哲学者ボリス・グロイスの著作から感銘を受けたという”Posdata”にはアジテーション的な朗読も。

〜以上、メーカーインフォより

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