アコール・クロワゼの2012年春新作はチュニジア人女性のアラブ古典声楽家ドルサフ・ハムダニ。昨年、同社からイランの若手男性古典歌手アリー・レザ・ゴルバーニと連名でアルバム『酩酊~ハイヤーム礼讃』を出した後に、初のソロアルバムです。内容は彼女自身が子どもの頃から親しんできたウンム・クルスーム、アスマハーン、そしてファイルーズら3人の「アラブ歌謡の女王」たちの有名な歌ばかりを、ヴァイオリン、カーヌーン、ネイ、ダルブッカ、リクというシンプルな編成でじっくりと歌い上げています 。ドルサフ・ハムダニ嬢は上記3人の歌手からの影響を強く受けながらも、まろやかでそこそこ重量感のある歌声。ありそうでなかった、いなせなアラブ古典歌謡アルバムです。