>こちらに続いて、この2枚組も見逃していました。
ディレク・チュルカン、1978年生まれ、大学でトルコ古典声楽を学び 99年に卒業、放送関係に就職し、イスタンブールとアンカラでラジオやテレビの番組制作に関わっていたそう。00年代後半からは、カランのスタジオ・ミュージシャン達から成るインストゥルメンタル・ユニット“インジェサス” でヴォーカルをつとめていましたが、11年に KALAN レーベルからソロ・デビュー、15年には SONY に移籍してセカンド、そして本作、SONY からの2作目、2018年の充実作ということになります。
この2枚組の1枚目 “2018年” と記されたCD1 は、基本、古典マナーの歌唱を聞かせますが、ハバネラやタンゴ、ワルツといった曲をはさみながら、流麗かつ多彩なアレンジの伴奏で、ゆったりと柔らかな節まわし、決して力まない歌を綴っています。それは、どこか、そっと自分自身の感情をなぞるような発声とも聞こえるし、同時に古典的な歌唱と遠くないとも聞こえます。その意味で、今の世に古典歌謡を再現するようなCDと言えるかも知れません。
そして、その100年前 、“1918年” と記されたCD2では、ウードやケマンチェのタクシームも奏でる古典マナーの弦楽器アンサンブルにおいて、洗練された揺らぎのある節まわしを重ねながら、喉に少し力をつめるようにして凛として伸びていく発声が、いかにもオスマン古典歌謡の往時を想わせます。端正でいて流動的な各種トルコ仕様弦楽器の交わりの中から聞こえて来るディレクの歌声は、確かにこの2枚のCDを通じ、同じ声で、違う表情を見せるのですが、もし、その違いが100年の差ということならば、どれだけ、トルコの歌が伝統と結びついているのか、逆に、そのことを浮き彫りにしてくれるような、そんなアルバムかも知れません。
>こちらで紹介されています(無断リンク陳謝&感謝)!
2018 CD 1
1 Prologue (Ah İstanbul)
2 Ah İstanbul
3 Aşkın Külleri
4 Nihayet Karşımdasın
5 İki Kalp Atışı Arasında
6 Yangın
7 Neyleyim
8 Pandomim Suare
9 Bir Rüzgar Gibi Geçtin
10 Gülbahar
11 Adak
12 Bahaneler
13 Bu Dünyanın Neresindeyim
1918 CD 2
1 Sabah Yıllardan Beri İlk Defa Oldu
2 Bülbül Kantosu
3 Ne Derin Kudreti Var
4 Son Şarkı Bu Ağlatır
5 Gemi Kalkar Sulara Akar
6 Aksaray’dan Geçer İken
7 Bir Derin Uykuda Şimdi Gönlüm
8 (Kemençe Taksim) Bir Yaz Gecesi
9 Akşam Olunca Yarelerim Sızlar
10 Şu Seven Kalbin Feryadını Duy
11 (Ud Taksim) Kadifeden Kesesi
12 Kadir Mevlam Sen Verirsin
13 Bir Gün Gelecek