DAWIT TSIGE / YENE ZEMA

ダウィト・ツィゲ(という読みでいいのかどうか?)、以前、同姓同名のシンガーがいましたが、全然関係ないようですね、正真正銘のデビュー・アルバム、エチオピアのTV番組、”Balageru Idol” というオーディショ番組で勝ち上がり、このデビュー・アルバム制作にたどり着いたということです。ゲストは Tewodros Kassahun, Tedy Afro, Yilma Gebreab and Abebe Berhane ということで、ま、TV局制作のアルバムだけに豪華ですが、まあ、それは、単なる鳴り物入り(コーラス)ということで、どうこう言うことでもなくて、やっぱり注目すべきは、この叩き上げ(?)の歌のうまさ、若いのにアムハラ民謡的節まわしも、しっかり聞かせてソウルフルで、バックも実に気合入ってますねえ(写真、イイ顔した男達!)、クラールやマシンコ、ワシントなど伝統楽器を織り込む曲もあり、そう違和感も感じられないブラス風キーボードを多用しつつ、生サックスを絡ませて、昔ながらのアムハラ歌謡の雰囲気をタイトに伝えてくれます。曲によって、ややドラマチックに仕立て上げすぎかも知れませんが、この歌唱力を活かそうとしてのこととも解せます。コケ威しという感じはしませんね。ジャケ写で、ダウィト・ツィゲが肘をついている古いラジオが何を意味するのか、何となく分かるような気もします。

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