ラシッド・タハがカヴァーし、大ヒットさせた「ヤー・ラヤハ」の作曲者にして、アルジェリアのシャアビを代表する男性歌手ダフマン・エル・ハラシ(1926年生まれ1980年に交通事故で亡くなっています)の70年代頃の録音と思われる名曲集です!ダフマンのマンドーラ弾き語りを中心に、ヴァイオリンやガスバ風の笛、打楽器、女声コーラス等々といった演奏の中に、アラブ・アンダルース直系の旋律、ベルベル的な音感、アラブ歌謡の影響などが交わり、独特な歌謡世界が繰り広げられています。加えて、アルジェリアの無頼派美学とでも言いましょうか、タハやマジッド・シェルフィの大先輩と言われもする由縁、その磨きのかかったイブシ銀のシワガレ声とメリスマが、たっぷりと楽しめるCDです!以前、定評のあった仏AAA盤が既に廃盤で手に入りにくい今、アルジェリア/シャアビ歌謡に注目されている方は是非、押さえていただきたい2点だと思います!「ヤー・ラヤハ」は残念ながら収録されていませんが(ライス国内盤『アルジェリア音楽集大成=2CDに収録されてましたね…)、それに勝るとも劣らない名曲群が、かなり良好な音質で楽しめます!オススメしましょう。
以下、メーカーインフォより
●強烈にしわがれた声で、移民達の悲哀を歌うアルジェリア出身の伝説的歌手。
●マグレブとその移民が多いフランスを中心に人気を誇るスターたち、ハレド、ラシッド・タハ、スアド・マシ、セブダ、ムース・イ・ハキムetc.。その大先輩といえるのが、本CDのダフマン・エル・ハラシです。中でもラシッド・タハがカバーし大ヒットさせたYa Rayahは、フランスのマグレブ移民達の非哀を描いたダフマンの代表作です。
●彼が演奏するシャアビという音楽は、アラブ圏の伝統音楽であるアラブ・アンダルス音楽の流れを受け継ぎながら、民衆的な感性を取り入れたジャンルで、その創始者ムハメド・エル・アンカの音楽を、さらにわかりやすい言葉で歌い、フランスの移民社会で開花させた功労者がダフマン・エル・ハラシです。
●本CDは、1975年頃の録音を集めた復刻盤で、アラビックなストリングスとパーカッション、葦笛、コーラスのアンサンブルをバックに、マンドーラ、バンジョーをかき鳴らしながら歌われるその声は、しわがれ、ヴァイタリティーにあふれ、聴くものに強烈に迫ってきます。
●なお、本CDの一部に入るノイズは、オリジナル・マスターに起因するものです。予めご了承ください。
1. Ya El Hadjla(ヤー・エル・ハジラ) やまうずら
2. Maak(マアク) あなたと
3. Zoudj H’mamate(ズージ・フママト) 二羽のハト
4. Mazalna Hayyine(マザルナ・ハイイン) 俺たちは生きてるよ
5. Khabi Serrak(ハビ・セルラク) 秘密を隠せ
6. Ya Neker El Melh(ヤー・ネケル・エル・メルハ) もう友達じゃない
7. Koun Fahem(クーン・ファヘム) 理解しろ
8. Maydoume Ghir Essah(マイドゥム・ギル・エッサハ) 残るのは真実