アフロ・キューバ系のファンにはハバナの日曜日の名物催し『ドミンゴ・デ・ラ・ルンバ(日曜のルンバ)』をカジェホン・デ・ハメル(フィーリンの発祥の通りでもありますね)で長い間開催しているルンバ・グループとして、また現在最高のルンバ・グループの一つとして有名なクラベ・イ・グアグアンコー。彼らの本当に久しぶりのアルバム(CD+DVD)が発売になりました。今作は、ハバナのなかでもルンバの盛んな地域2つの地域、カラグアオ(エル・バリオ・デ・ピラール)とプエブロ・ヌエボそれぞれを代表するルンバ・グループ、パソ・フランコとロス・ロンコス(あのイグナシオ・ピニェイロが指揮をとっていたグループ)のメンバー(特にヴォーカリストとコーラス)を集め、それぞれ別々に演奏させるのではなく、同一曲に二つの曲をうまく混ぜ込め同時進行的に演奏してもらい、時に融合を時に競争させるという、とんでもない企画アルバムとなっています。クラベ・イ・グアグアンコーのリーダーでルンバの鬼才中の鬼才アマド・デデウ・ガルシアだからこそ成し遂げることの出来た内容です。クラベ・イ・グアグアンコーお得意の他ジャンルとのミクスチャーは今回はありませんが、ルンバ同士のミクスチャーを成し遂げたというわけです。
実際の演奏は、そのアイデアが実って、全編希にみる濃厚なルンバのオンパレード。ハバナのルンバ特有のスピード感と、ヴォーカルのコクが折り重なり素晴らしい内容です。
DVDは、アマドや有名な音楽学者マリア・テレサ・リナーレスの解説も織り混ぜ、長老へのインタビューや実際の演奏も盛りだくさんの約21分のドキュメンタリーと、ルンバの歴史の学者によるレクチャー(約31分)、クラベ・イ・グアグアンコーのヴィデオ・クリップ2種が収録されています。リージョン:ALL/NTSCですので、一般家庭用器機で視聴出来ます。