オベイ 御大1980年のJUJUです。当方、アナログ時代にオベイ作品中でも愛聴した一枚です。いつの間にかCD化されていましたので、ここはガツンとオススメ致します(アナログに較べて、やや音が硬いのが残念ですが、音質は上々です)。アデに較べるとやっぱりキャッチーさ、というか分かりやすさにおいて劣るオベイかも知れませんが、土性骨はアデより太いでしょう、間違いなく(って、土性骨って何?)!
スローモーに飛び交う、時としてコズミックなスティールギター、小じんまり絡みつくキュートなワウワウ・ギター、モザイク状に交わる複雑リズム・ギター(計ギター3本 or 4本)、そしてドゥンドゥン(トーキングドラム)の打音と一体化したかのようなウネウネモコモコのベースライン、時には打ち込みのように、時にはトニー谷のソロバンのような超絶シェケレ(瓢箪に網張ってその網に数珠を200粒ぐらいつけたアレ)、そしてドラムスはあるのかそれともないのか何だかワカンナイ大小太鼓打楽器の群れ…、等々による聴けば聴くほどにスゴイ演奏です(〜コレは絶対に未来永劫ダレにも忠実カヴァーはできないでしょうな)。そこに、掠れた中途半端なファルセット唱法を駆使しているのか、酔って発した裏返った声をちょっと気に入って出し続けているのか、そーゆー風にも聞こえるものの、十二分に説得力ある飾り気なく何気ないヨルバ的ハイライフのヴォーカル・スタイルを保守するオベイ主唱、そこに寄り添う、ちょっと雑、近所の寄り合いで酒が入って誰からともなく始まったかのような味のある男たちのコーラス…、その歌のあり方もまた誰にも真似のできない呼吸に満ち溢れ、溜息もののラフ&レイジーな侘び寂びグルーヴ炸裂状態引き伸ばしに一役買っている訳ですね。まったもってクール!全36分2曲完全生音一発録り(ま、昔も今もJUJUは一発録りですが)、この緩く引き伸ばされて行くぬるま湯のようなファンクに浸りながら、生きて行きましょう!
Chief Commander Ebenezer Obey & His Inter-Reformers Band
Current Affairs (Decca) 1980
[A] Oba Sijuade
[B] Ogunpa Flood Disaster