CHEB HASNI / 1

80〜90年代のポップ・ライ・シーンに大きな爪痕を残した伝説の歌手シェブ・ハスニ!
 いま話題のフランスの新レーベルOutre Nationalから、アルジェリア音楽ライの偉大なる歌手シェブ・ハスニのリイシュー作品をCDで発売することになりました。
 1968年2月1日、アルジェリアのオランのガンベッタ地区で生まれたシェブ・ハスニ(本名:ハスニ・シェクルン)は、サッカーに情熱を注ぐ一方で、歌が大好きな少年としても知られ、幼い頃から結婚式などで歌っていたそうです。後にキャバレーで歌うようになった彼は、1987年に‘Bekara’(小屋)という曲を女性歌手シェバ・ザフアニアとのデュエットでヒットさせました。当時タブーとされていた性描写を歌ったこの曲は大きな論争を巻き起こし、ハスニは一躍時の人となりました。
 彼が歌っていたのは、伝統ライに欧米音楽の要素を取り入れ、さらにシンセサイザーなども導入して作られたポップ・ライという音楽。さらにアラブ世界におけるタブー(アルコールやセックス)や欲求不満などをストレートに表現したこの音楽は、オランのナイトクラブを中心に人気をみせ、安価なカセット・テープのブームとともに、オランから世界中に広まっていきました。そのポップ・ライの寵児ハスニでしたが、1994年9月29日、26歳のときに自宅の入り口近くでイスラーム原理主義者に暗殺されてしまいました。その死は当時アルジェリアの若者たちに大変なショックを与え、何千人もの人々が彼の葬儀に集まったそうです。
 そんなハスニの伝説はその後も生き続け、いまもカルトなファンを増やし続けています。そしてその暗殺から27年経った2021年、フランスのOutre-Nationalレーベルが制作したのがこの3枚の復刻作品。当時150本ものカセットを録音したというハスニがフランスのオリエンタル・ミュージック・プロダクション・レーベルに残したカセット・アルバムから、レア・トラックを集めて3巻に分けたものです。ここでコンパイルを担当している“Cheb Gero”は、辺境音楽で知られるフランスのAkuphoneレーベルを主宰するFabrice Geryの変名で、その名前からはライへの深い愛情が感じられます。
 ポップ・ライがもっとも強い影響力を持っていた当時のポップ・ライ・サウンドを、最新マスタリングでいまに蘇らせた本作は、まさにシェブ・ハスニが残した大いなる遺産へのオマージュ。是非とも3枚まとめてお求めください。 (メーカーインフォより)●日本語解説/帯付き

CD 1
1. Ida Cheftek Mahouchi Ghardi
2. Hakmet Aliya
3. Chefta Tetbessem
4. Ana Elabbi
5. Ila Bkiti Nebki Maak
6. Omri Omri

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