ノルウェーのベーシスト、スタイナル・ラクネスが主催するレーベル “Reckless Records” からの新作です。2017年にアルゼンチンで出会ったというアルゼンチンの民俗音楽 “チャマメ” のアコーディオン奏者、チャンゴ・スパシウクとノルウェーのギタリスト、ペル・エイナー・ワトルによるノルウェー録音。ラクネスほか、女声二人(こちらなかなかイイ歌手です)、カホーンほかのパーカッション奏者も参加した、チャマメとノルディック・トラッドが北欧ジャズを介して出遭ったような作品。結果、清々しいチャマメ、というか、温かい北欧トラッドというか、イイですねえ、こういうミクスチュアーなら…。ナチュラルでオープンな雰囲気が漂っています。
▽以下 MM誌3月号での私の紹介文…勝手ながら掲載。
アルゼンチンの“チャマメ”を奏でるアコーディオン奏者、チャンゴ・スパシウクとノルウェーのジャズ系ギタリスト、ペル・アイナー・ワトレという二人の出会いから生まれた作。異文化交流という、そういう言葉があまり意味をなさないくらいに自然でオープンな意気投合ぶりが伝わるが、チャマメはじめ、ハバネラやミロンガ、加えて北欧トラッド風歌曲やブラジル北東部風の演奏も聞こえて来る。基本、ギターと蛇腹が編み上げる旋律とリズム、その躍動感と抒情表現の対比が聴きどころ? そんな、大雑把な感想が浮かぶだけだが、それは、チャマメというハチロク系蛇腹音楽の自由な演奏形式があってこそと感じもする。ノルウェー録音にて、ジャズ系コントラバスでスタイナル・ラクネス(自作英語曲も歌う)、地元トラッドを涼やかに歌う女声、そしてカホーン等打楽器奏者も二人参加しているが、チャマメと北欧ジャズ、意外と相性がイイのかも知れない。
Chango Spasiuk (acc)
Per Einar Watle (g)
Marcos Villalba (per, g)
Steinar Raknes (b, vo)
Kenneth Ekornes (per)
Anne Gravir Klykken (vo)
1. Bailando (Spasiuk)
2. Julian (Watle)
3. El Boyero (Cocomarola / Vera)
4. Misiones (Spasiuk)
5. Caa Catí (Watle)
6. Solo Para Mi (Spasiuk Heredia)
7. Folks & People (Raknes)
8. Rita (Spasiuk)
9. Corrientes (Watle)
10. Hielo Azul Tierra Roja (Watle / Trad)