レックス・ローソンは1938年、ナイジェリア南部、広大なニジェール・デルタの東部に位置する街、ブグマで、カラバリ(イジェ人に属すサブ・グループ)の父とイボ人の母のもとに生まれました。(カラバリ、といえば、ミゲリート・バルデスの “カント・カラバリ” のあのカラバリです。白人であるミゲリートがアフリカ系黒人の歌をうたう、というポピュラー音楽のフィクショナルな成り立ちを象徴するような歌でしたね…、全く関係ないですけど)。
トランペッターであり、歌手でもあるレックス・ローソンの音楽歴は、ブグマにほど近いポート・ハーコードで人気のあったロード・エディソンズ・スターライト・メロディーズへの参加からから開始されました(それが、どんな楽団だったのか、全く不明ですが、その楽団名からして、北米ポピュラーに由来する音楽を奏でていたように類推されます)。その後、サミー・オボット(ガーナでブロードウェイ・ダンス・バンドを率いたナイジェリア出身のトランペッター)や、ボビー・ベンソン、ヴィクター・オライヤの楽団での楽士遍歴を経て本場ガーナに遊び、ロンドン経由で開花したE.T.メンサー以下のダンスバンド・ハイライフを思いっきり吸収し帰国したのが、50年代の末頃(?)だったんでしょうか…。
そして、はっきりとした年号はわからないのですが、おそらく1960年、レゴスで自らの楽団を率いることになり、ベンソン、オライヤ、そしてロイ・シカゴらに続いて、ナイジェリアン・ダンスバンド・ハイライフの立役者に加わるわけですね。その後、ローソンは1965年頃までには100曲前後のナンバーを作曲していたとされ、それらは、言語習得能力に長けていたローソンのこと、カラバリ語、イボ語、英語はもちろん、エフィク語、イジョ語、幾つかのガーナ諸語に渡り歌われ、ラジオを中心にナイトクラブや、そしてシングル・レコードによって、ナイジェリアのみならず、広く西アフリカ全域で親しまれることになりました。
ローソンは1960年代の初め頃からフィリップス・ウェスト・アフリカに数多くのシングルを旺盛にリリースし続けます(67年にビアフラ戦争開戦時にレコーディングが一時ストップしたものの)。最後期の録音と思われるのは、ナイジェリア・フィリップス 1970年リリースの LP “The Highlife King In London” かと思われますが、その後、1971年の1月、次の公演地に向かう途中、自動車事故によってローソンは亡くなってしまいました。その時、未だわずか33歳でした。
いったい何曲の録音を残したものか、パーフェクトなディスコグラフィーが存在せず不明ですが、このCD5枚組には全89曲が収められています。そしてタイトルは “COMPLETE RELEASED WORKS” とあり、コンプリートを謳っているのですが、本当に完全なのかはどうかはともかく、コンプリートに近いことは確かでしょうね。
もちろん、ガーナのそれとは一味違うし、ベンソン、オライヤ、そしてロイともことなるレックス・ローソンならではのハイライフ89曲です。
LAGOS, EVERGREEN MUSICAL COMPANY LTD. 謹製ながら、やや粗製のソシリをまぬがれないであろうボックス風縦長観音開き変形デジパック商品です。やっと再入荷しています!(ケース等のボロさはご承知の上、お買い上げいただけますと幸いです。が、こちらCDRではなくCDです!)
VOLUME 1.
1. TEKE TEWA TOLUMA
2. ABARI BIYA
3. JOLLY PAPA
4. TAMUNO BO IBRO MA
5. SERE NENE
6. OSULALA ORU ENENE
7. MEKINE WA BOTE
8. IBARI KORUA
9. SAMALE
10. ADIGBOROJA
11. AYANDO
12. IMIETE TE KE TAMUNOBE
13. SATURDAY SP DI
14. AYEMUBA UDEAJA
15. GO INSIDE OWAMBE
16. AREMIO
17. ABASI YE NYE
18. DEIN WENI
VOLUME 2.
1. GREEN TURTLE
2. TOM KIRISITE
3. AMA INYE
4. ENE BATE
5. DOM UTELIKANG
6. MAJOR BORO
7. PAY ME MY MONEY
8. ABARI TE
9. TAMUNO NNEE NEBE
10. KUSUNG KUSUNG
11. NUME INYE
12. LOVE ME ADURE
13. SAWALE
14. IGOIN BO
15. JOLLY PAPA (NEW EDITION)
16. TAMUNO ATIE MIE
17. GOWON SPECIAL
18. EWU NEBE AKWA
VOLUME 3.
1. IBI NA BO
2. OKO
3. TAMUNO WENIBO
4. SOBO IBIBI NA
5. DEIN WENI TIM KIRIBO
6. OBEYEWASO
7. ORUENE NE NYANAM
8. ANATE
9. ANNA I DON TIRE
10. SO ALA TEMEN
11. SO BRA SUPA IPRI
12. ONUWU SURU UWA
13. BABY PLAY WAYO
14. ISOBOYE
15. AMA YANABO AMAOKITE
16. BERE NA AKWA NA
17. INE MIE BIA
18. SUSANA PANGO
VOLUME 4.
1. BERE BOTE
2. YELLOW SISI
3. PERI SPECIAL MBAGA
4. WASENIGBO
5. ELIZER
6. GBATE FA TE
7. AKWA ABASI
8. UWEM DO
9. AKASO INYINGI
10. WAFIA
11. NKPAKA DA OWO
12. SELINA BAROWUMA
13. ASIEKE ITON TON
14. COL. BENJAMIN ADEKUNLE
15. HAIL BIAFRA
16. SIE SO
17. OSIMA BAFIYA AREMI
VOLUME 5.
1. ESE AYANDO ISO
2. MBEKWU
3. FI GBORU NE
4. BOMA SIMEKE
5. OSIMA ATORU KOROKOROTE
6. JEN BARI MIE MA
7. THE BIBLE
8. OWEIBO NUA
9. OWUNA DERINA
10. AYELE
11. OSIMA OWUARI
12. OBUIYEWU
13. SISI SARO
14. MIGROFU
15. OSABA KORO (FISH SONG)
16. IGBIGI OFORI
17. ONWUALU
18. MR & MRs ford briggs special
☆参考〜以下、ナイジェリア・フィリップスからリリースされていた
セカンド10inchアルバム(シングル復刻コレクション)のミュージシャン・クレジットから…。
Alto Saxophone [First] – Etim Udoh
Alto Saxophone [Second] – Igochiko Okwuechime
Bass Guitar – Joseph Utang
Bongos – Obubelabra Solomon
Claves – Anthony George
Congas – Anthony Odili, Raymond Batuso
Double Bass – Bonny Face
Drums – Asuatang Inoh
Lead Guitar – Bassey Udoh
Maracas – Johnson Hamilton
Rhythm Guitar [First] – Ifeanyi Ordor
Rhythm Guitar [Second] – Rowland Stephen
Tenor Saxophone – Augustine Oliseh
Trombone [First] – Ben Jack
Trombone [Second] – Okon Jimmy
Trumpet [First], Composed By, Vocals – Cardinal Rex Jim Lawson
Trumpet [Second] – Raymond Barber
Trumpet [Third] – Anthony Njoku
Vocals – Willie Udoh