トルコ・アナドルロックの四天王、故バルシュ・マンチョの1975年作がスペインGUERSSENから、なんと重量盤アナログで再発されました。しかもダブルジャケット仕様。その上、ビートルズ「マジカルミステリーツアー」のアナログ盤を思わせる当時仕様のサイケイラスト満載の8ページ歌詞ブックレットと英文ライナーノーツも封入。ダブルネックのエレキギターを下げたバルシュ・マンチョが超カッコイイ！
タイトルの「2023」とは2023年。発売当時から半世紀後の近未来。トルコのロック界における初のコンセプトアルバムとして大ヒットしたそうです。A面には10分超えのインスト大曲を中核に据え、トルコらしいメロディーと、当時の欧米プログレッシブ〜シンフォニック・ロックから大きな影響を受けたサウンドを、ミニ無モーグをフィーチャーした新バンドKURTALAN EKSPRESとともに開拓しています。A面最後にはトルコ人の心の名曲とでも呼びたい、故アーシュク・ヴェイセルの代表曲「UZUN INCE BIR YOLDAYIM」を持ってくるなど、泣けます！
B面はトルコ民謡に想を得た、いかにも彼らしいメロディーを幾つも並べた組曲が印象的。そしてB面後半には彼の大ヒット曲「LAMBAYA PUF DE」（ろうそくを消して）を元にしたインスト曲も収録。そしてアルバムの締めは黒海民俗舞踊であるKOL BASTI様式の自作曲。
このアルバム、やはり聴くほどに、トルコを代表するプログレッシブロックのコンセプトアルバムの金字塔です。