AYINLA OMOWURA / AWA KISE OLODI WON vol.19

1970年代のナイジェリアを疾風のように駆け抜けたアパラの大スター、アインラ・オモウラが、1980年に酒場の喧嘩で亡くなり、その死後にリリースされた晩年の録音が本CD(遺作は “25 x40” )です。お見逃しなく!~ と言っても、いつもと同じなんですが、しかし、どのアルバムを聞いてもても多少の差こそあれ、全部みんなスゴイということは、やぱっり凄いことですね?でも、その多少の差というものにこだわるならば(録音状態の良さ、とか、打楽器群のアンサンブルの良さ、とか、コーラスとの掛け合いの呼吸とか)、この作、BESTの1枚に数えられて当然の仕上がりでしょう。晩年とはいえ、未だ脂の乗った中年40代の後半と思われ(生年月日不明とされていましたが、1933年アベオクタ生まれだそう)、まだまだガッツリ歌える年齢でした。が、ともあれその歌、並外れて強靭な声帯から放たれるその歌声、シャウトとは違うし、もう、咆哮と呼びたいような歌声で、こういう感じ、あまり聴いたことがなくて、実際、ソウルとかロックとか、ほか、ラテンでもアジア〜アラブ、ヨーロッパを見渡してみても、その歌声、力を込めた喉の奥から放たれるその発声は、ほかに聴くことが、なかなか難しい唯一無二のものと感じます。
それだけに、それにつけても、もー、ホントにもったいない!誰だ?いったいアインラを殺したのは?という、その顛末、伝えられているところでは、酔っぱらって口論の末、オモウラの活動を支えていたマネージャー氏と喧嘩、乱闘となり、マネージャーにビール瓶で頭をカチ割られて亡くなったという話です。が、真相はどうあれ、そうした最後を遂げても不思議に思われないような、オモウラ自身、かなり短気で喧嘩っ早い男、荒ぶる男だったようです。

1980
Late Alhaji Ayinla Omowura and His Apala Group
Vol. 19: Awa Kise Olodi Won (LP; EMI NEMI 0490)(CD; Ivory Music NEMI(CD)0490)
[A] K’Aiye Mase Sio Soro Mi /Omuti Ki Sapa / Alhaji Karimu Olowo Pere (Ni Sanngo) / Efi Sogbon / Ki’Legun Se Tio Fi Owuro Jo
[B] Awa Kise Olodi Won / Irede / Late Chief Wahabi Amode Maja / Orin Asiko

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