さすが KALAN というべきでしょうね、ハルクのジャンルで送り出す女性歌手達、他のレーベルとは一味違います。アイフェル・ヴァルダル、1984年生まれということですからこのジャンルでは若手と言えるでしょう。イスタンブール工科大学トルコ音楽音楽院で民謡を学んだ実力派です(なぜ工科で音楽を?と言うなかれ、なぜかはは知りませんけど、多くの本格派伝統女性歌手を生み出した名門学科です)。そして、この美貌ですから…。
前2014年作『AYRILIGIN ACISI』ではバーラマの弾き語りをしっかり聴かせてくれていましたが、本作ではヴォーカルに専念、多くは詠み人知らずのハルク(=フォークロア〜民謡)スタイルの曲を、KALAN ならではの、ピアノやギター、各種ストリングスを加えた変化に富んだ伴奏で楽しませてくれます。切ないような、過去を想うような、メランコリックでいて澄んだ情緒が、いかにもこのジャンルの女声として得難いものと感じられます。