以前CD化もありましたが、既に10年以上、入手困難だったんじゃないでしょうか(LPの相場は5万円!)。ザックス・ンコーシやキッピー・モケーツィ、そしてスポークス・マシヤネらと並ぶ南アフリカの生んだ素晴らしいアルトサックス奏者、ドゥドゥ・プクワナが(60年代前半クリス・マクレガー&ブルーノーツとともに渡英)、ロンドンで結成した最高のアフロROCKバンド、アサガイ、その1970年のファースト・アルバムが久々にCD化されています(オリジナルはVertigo)!
ブルーノーツ同僚のルイス・モホロ(ドラムス)&モンゲジ・フェザ(サックス)と、ナイジェリア出身のおそらくハイライフ系のギタリスト、フレッド・コーカー&ベースのチャールズ・オノノグボという南ア vs 西アフリカ混成メンバーによるその演奏は、やっぱり最高!まさしく、クウェラ直系JAZZの旨味と、ナイジェリア系ハイライフの旨味が相乗効果をあげ、そこに加えて、当時ロンドンに吹き荒れていただろうロックな気分がそこはかとなく塗され、コーラス主体のヴァイタルなヴォーカルともども、“アフロROCK” と呼ばれる数ある過去作品中でもナンバルワン!と断言することにやぶさかではありません、ハイ。
それにしても、ビートルズの「ヘイ・ジュード」カヴァーの素晴らしさ!一度 YOUTUBE で試聴してみて下さい。当方高校生の頃、本CD収録のアフロラテン風味「ヘイ・ジュード」を聴いて以来(当時、日本盤LPも出ていました)、ビートルズのオリジナルのそれが随分と野暮に聞こえてしまう本末転倒状態に陥り、思えば、その辺の時期から、既にワールドミュージック・ディスクショップ運営の苦界に身を沈める運命は決まっていたのかも知れませんな(遠くを見る)。
ところで、この真にスーパーなアフロROCKバンド、アサガイ、既に>2作目録音時(1972)にはメンバーチェンジ済み、ナイジェリア勢は姿を消しややトーンダウン、そしてその2作だけを残して、ドゥドゥ・プクワナ達は南ア音楽へとUターン。その後また、JAZZにFUNKにとイイ仕事を残すのでした。