1944年に26歳の若さで亡くなった最高の歌姫アスマハーンはアラブ音楽の重要な発信地のひとつであるレバノンの出身。兄はアラブ音楽の服部良一とも言える偉大な作曲家(と同時に歌手)ファリド・エル・アトラーシュで、この兄妹はエジプトを中心に活躍。アラブのポピュラー音楽が古典音楽に西洋音楽的な要素を加えながら芳醇な世界を作り上げた1940年代にすばらしい録音をたくさん残しました。特にアスマハーンは全盛期に若くして自動車事故で亡くなったこともあり、アラブ世界では伝説のように語り継がれています。タンゴなど現代的なポピュラー音楽の要素を取り入れたモダンな方向性は兄アトラーシュ譲り。さらに伝統的な節回しの曲でもきらびやかでスケールの大きなコブシをタップリ楽しませてくれるのがアスマハーンで、まさにアラブの初期ポピュラー音楽の醍醐味と言える部分がタップリ詰まっています。
そんなアスマハーンの定評ある1992年リリースのSP複刻集CD/再プレス=再入荷しました。フランスBUDA盤とは1曲のみの重複にして、全72分の収録です。タンゴやラテン音楽を自然なアラブ音楽として歌いこなしたその才、歌手としての資質は、あるいはウム・クルスーム以上、だったかも知れませんね…
01. Yalli Hawak
02. Layali El Uns Fi Vienna
03. Emta Ha Ta’raf
04. Ana Elli Astahil
05. Asqineeha
06. Ahwa
07. El Ward
08. Ya Layali El Bishr
09. Ayyuha Al Na’im
10. Ya Dirati
11. Kan Li Amal