ANGHAM / HALA KHASA GEDEN

「シャバービーは終わったのか…?」
アンガーム新作がスゴイことになっています。CD入荷よろしく!〜と、当方お得意様、>Black Beautyでお馴染みのトシマさんからリクエストいただき、ネットをチェック、試聴してみると、なるほどアンガームの新作、イケイケのUP / DANCE 系歌曲ゼロと確認、実に落ち着いた、流麗ストリングスたなびく生音系豪華伴奏で、しっとりっとしたアラブ歌謡に仕上がっていて、これは素晴らしい!と、スワッと当方取引先に注文したところ、なんとか入荷したのでした(中身、CDRでびっくりしましたが、アラブ最大手ロターナもとうとうCDR…「プレス工場廃業?」by I さん)。
で、早速アップされていた>こちらを拝読(陳謝&感謝!)、そうか、「アダルト・オリエンテッドなシャバービー路線」なのか…。と、納得した次第。
なるほど、アンガームの歌い口は20世紀のアラブ歌謡、ウム・クルスームからフェイルーズあたり、往年のアラブ歌謡世代とは異なるもので、シャバービーを通過した歌い口、つまりアラブらしいメリスマは残しながらも、アラブの伝統的な旋律から、ツかず離れズとも、遊離しているのは確かで(〜欧米POPの旋律が流れ込んでいるのは確か)、伝統回帰の一言では済ますことはできないものでしょうね。
(それにしても、やっぱり、ここに聴けるアンガムの歌い口が連想させるのは、フェイルーズの揺れる歌い口、ということになるでしょうか? って、本作を聴いていて、すっかりアンガーム、レバノン系歌手だと思い違いしてしまいましたが、エジプト出身。トシマさんにつかさずメールにてご指摘を受け、間違いに気づきました。感謝!)
ともあれ、”ロターナ・バブル” がハジけた今、シャバービー全盛時代を通過したアンガームが先陣を切って、アラブ歌謡 / アラビックPOPの新たな局面に向かっているような気がすることは確かで…、どういう語源なのか、シャビー(英語で、みすぼらしいの意)とか、シャバイ(日本語、意味不明、ひと昔前の若者方言?)とかと、紛らわしいような “シャバービー”という名称はもう使わなくてもイイのかも知れない局面が開けるのかどうか、そこんとこ、ちょっと注目したいところです。
というようなことはともかくとして、全編、スロー&ミディアムなこのアルバムの気持よさ、個人的には還暦を過ぎた今、ばっちりハマってしまうことは確か、ま、そこが一番重要かと(ということは、アラブPOPのスタアたちも、歳をとったのか…単純に、そういうこと?そういえば、新人スタアはなんだか、あんまり出て来ませんねえ、ということは、アラブ歌謡もジェネレーション・ギャップを体験しているということなんでしょうか、じゃ、アラブ圏の若い人達は何を聴いているのか?)。

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