現代フラメンコにおける、もっともアーティスティックなカンタオール(歌い手)の一人、エンリケ・モレンテ(若手スター、エストレージャ・モレンテの父親でもある)。元来、フラメンコの家系出身というわけではなかった彼は、若き日より古典に耳を傾け、当時健在であった巨匠たちと直に接することでカンテの研究を重ねてきました。フラメンコ世界の拡張にも意欲を燃やすモレンテですが、そのバックボーンには古典に対する広い知見と、ルーツの追求者としての顔があるわけです。本作はそんなモレンテによる1967年のデビュー・アルバム。フェリクス・デ・ウトレーラがギター伴奏を務めています。