ビロードの声と評されるラテン・グラミー・ノミネイト女性シンガー、サンドラ・ドゥアイリービ(ブラジル・マラニョン州出身)。当店ではボサ・ノヴァ50周年の年に制作されたセリー・クラードとのアルバムや、R.メネスカルの楽曲を女性シンガーたちが歌う「Elas Cantam Menescal」でお馴染みですが、レアンドロ・ブラガ(p)との声とピアノのアルバムや、その前の’07年にはファチマ・ゲヂスやイヴァン・リンス曲を歌った正統派MPBのアルバムを発表しています。通算5枚目となる本作は’14年に亡くなった作曲家ノナート・ブザールの楽曲を歌った作品で、1stと同様にゼー・アメーリコ・バストスのプロデュース。ゼー・アメーリコのジャジーなepと随所にブルーアイド・ソウル的なegを挟み込み、いまのフュージョニックな音にリノベイト。
題材となるノナート・ブザールは’70年代に映画音楽のサントラなども手掛け、その楽曲をアルシオーネ、イヴァン・リンス、エリス・レジーナが採り上げたことでも知られる優れたコンポーザー。最近ではマリア・ヒタがデヴュー盤で歌った”Meninha do portao” (本盤m-9)の作者としても有名。またレーベル – ソン・リヴリの創立者としても偉大な功績があります。本作ではプロデューサー、ゼー・アメーリコの打ち込みドラムの楽曲と、カミロ・マリアーノのdrsにパペーチのperといった生音の配置がバランス良く、レオ・アムエドの洗練されたeg、そしてラストの方の2曲(“Ceu vermelho” 、”Ta chegando a ho”)には、イスハエル・ダンタスがガット・ギターで参加しており、音触わりの質の高さを演出しています。サンドラの声の良さと相俟って、ブラジリダーヂに包み込まれるように安らぎを覚える一枚。(インポーター資料から)