09年秋にも豪華なライヴ2CD&DVDボックスをリリースしてくれました。そして矢継ぎ早に本作~スタジオ録音新作を届けてくれました。で、その内容ですが、それぞれに異なる作詞家と作曲家の組み合わせで全15曲、ほぼ3~4分のいかにもオーソドックスなギリシャ風情漂う曲調が並ぶ歌謡アルバムといった感じです。特に目立ったゲストもコンセプトもないと思われますが、そんな中にも、ラテン調、フラメンコやタンゴ、ボサ、そしてフォーク・ロック調、打ち込みも使っているし、あるいはレベーティカ・マナーの古風な曲もあります。が、結局は、総じてダラーラス仕込みのPOPライカと聞かせてしまう自然な作り、アシッド・ジャズ?みたいなイントロの曲でさえ、ダラーラスの声が響けば一瞬にして哀愁のギリシャ歌謡に一変してしまうわけです。その意味では、ただただダラーラスの歌声が前に出る作品で、その声の魅力、抑えた感情と発声が完璧に聞き手をコントロールしてくれるでしょう。名盤だと思います。