イスラーム世界における最もポピュラーな弦楽器がウード、トルコにおいてその伝説的な演奏者といえば、このウディ・フラント(1901~1978)となります。トルコ領内のアルメニア人の両親の元に生まれた彼は盲目ででしたが、そのキャリアの中で様々な革命的演奏法を生み出しました。1930年代にはアメリカでもトルコからやってきた移民コミュニティ向けにその録音が発売されるようになり、さらに50年代には訪米、同地で録音も残しています。本作はそんなウディのアメリカで発売されたSP音源だけを集めた30~40年代録音集で、彼が得意としたタクシーム(即興演奏)やウードの弾き語り、ヴァイオリンやピアノがはいった楽団との録音まで多彩なスタイルでその妙技を楽しませてくれます。
『第1集』と『第2集』の同時国内配給~かねてより、前世紀前半中東音楽に興味ある向きからは、評判の高いCDでした。