スペインはバレンシアを拠点に独自の地中海トラッドを演じて来た~ラム・デ・フォックのフロント男女2人を中心に結成された新プロジェクト=“アマーン・アマーン”のファーストです!その透明な女性ヴォーカルを囲むようにして、ウード、ネイ、カヴァル、ダルブッカ、カーヌーン等の中東系の楽器等を用いて地中海音楽の広がりを表現する方向性はそのままですが、この新作の特徴は、15世紀にスペイン/イベリア半島を追われ、その後、モロッコやトルコ、ギリシャやブルガリアへ移り住んだユダヤ人の音楽=セファルディを中心主題にしていることで、各地の民俗・伝統と融合したユダヤ系音楽を通して、繊細な表情を見せる地中海を歌い上げているところにあります。そのためか、これまでのラム・デ・フォック3作に較べても、よりオリエント指向も強く、セファルディならではの静謐さも感じられる力作となっています!オススメできます。