★ラウル・ガルシア・サラテ / ペルーの伝説~アンデスの至宝~
2017年10月29日に85歳で亡くなったペルー、アヤクーチョ出身のアンデス系フォルクローレ・ギタリスト「ペルーの国宝」こと、ラウル・ガルシア・サラテ。全28曲を収録した2枚組による追悼盤です。
●中南米には、アンデス音楽を奏でる名ギタリストが大勢います。しかし、ギター1本の独奏スタイルで聴かせる音楽家は、圧倒的にペルーに多く、その多くは民謡の宝庫とも言われるアヤクーチョ地方出身者だといいます。ラウル・ガルシア・サラテはそのアヤクーチョ出身で、このペルーのアンデス・コンサート・ギター・スタイルを確立~発展させた一番の立役者です。
●1931年アヤクーチョに生まれたラウル・ガルシア・サラテは、8歳の頃からギターに親しみ、12歳の時に初めてのコンサートを開きましたが、あくまでもギターは独学で学んだというのには驚きです。1966年にファースト・アルバムを発表し、ソロとして、また兄のネリー(1980年に54歳で逝去)とのデュオとしても活躍しました。この兄も故郷アヤクーチョでは亡くなった日が記念日になるほど人々に慕われていました。
●ラウル・ガルシア・サラテのギタリストとしての活躍はめざましく世界各地での公演、様々な分野での受賞、受勲歴は挙げきれません。また、弁護士として25年間司法の場で働きながら音楽活動もしていたというのもさらなる驚きです。
●アルバムは、過去に日本でもテイクオフとビクターから発売され、濱田滋郎氏、竹村淳氏といったギター/ラテン音楽の専門家諸氏からも高い評価を得ており、2000年と2001年に日本公演も行っています。弊社がリリースした『アンデス・ギターの至宝』(BNSCD-923)もロングセラーを続けています。
●そのギターの音色はまさにアンデスの山々からの澄んだ空気が流れて来るようです。とにかく一音一音が深く、それだけで聞かせてしまう説得力のある演奏に圧倒されます。ギター1本でどうしてここまで表現できるのか、いくつもの楽器を従えているかのようなスケール感、その素晴らしいテクニックはひたすらにギターの音色を高めるために駆使されています。曲毎に調弦をする必要があるともいわれるアンデス地方のギター奏法。跳ねるようなタッチが軽やかな曲があるかと思えば、一音一音をかみしめるように奏でられる曲もあり、またその両方を感じさせてくれる曲もあります。それら多彩な曲調の中に、しっかりとアンデス音楽のエッセンスが凝縮されて詰まっているのが、ラウル・ガルシア・サラテの演奏なのです。
●DISC 1は、2,000年代にそれまでの録音から代表曲を集めて編集されたベスト盤『15 EXITOS DE ORO』(現在は廃盤)から1曲マイナスされた内容で、ヤラビやワイノ、マリネラ、カーニバル曲などペルーの様々なスタイルを中心に、すべてギターの独奏で聴かせてくれます。
●DISC 2は曲順は変えられていますが、『アンデス・ギターの至宝(原題:LA GUITARRA ANDINA DE PERU)』と同内容です。こちらは、ペルー・アンデスの曲の他、アルゼンチンのサンバ、ボリビアのクエカやエクアドルパシージョなども披露。曲により、伴奏を伴っています。(メーカーインフォより)
DISC 1
1. El Pajarillo 小鳥
2. Valicha バリーチャ
3. El Cóndor Pasa コンドルは飛んで行く
4. Carnaval de Ayacucho アヤクーチョのカーニバル
5. Mi Huancavelica 私のウアンカベリカ
6. Melgar メルガール
7. Cranaval Arequipeño アレキーパのカーニバル
8. Vírgenes del Sol 太陽の乙女たち
9. Elsa エルサ
10. Punchaunikipi プンチャウニキピ
11. Ciudad del Lago 湖の町
12. Adios Pueblo de Ayacucho さらば、アヤクーチョの町よ
13. El Paria エル・パリア
14. Putka Mayo プトゥカ・マヨ
DISC 2
1. Huérfano Pajarillo みなしご鳥
2. Rosas en Flor 開く薔薇
3. Vicuñitascha ビクニタスチャ
4. Ayacuchanta アヤクチャンタ
5. Almendras, Ciruelas アーモンド、すもも
6. Vasija de Barro 素焼きの壺
7. Puro Sentimiento プーロ・センティミエント
8. Malabrigo マラブリーゴ
9. El Payande エル・パヤンデ
10. Zamba de Vargas サンバ・デ・バルガス
11. Ojos Negros 黒い瞳
12. Soñaba 戯れ
13. Sed de Amor 愛の渇き
14. Flor de Sankayo y Margarita サンカヨとマルガリータ