ALEJANDRO FERNANDEZ / HECHO EN MEXICO

アレハンドロ・フェルナンデス・アバルカ(1971年メキシコはハリスコの生まれ)2020年の新作です。余計なもののない、ぐっとオーソドックスな演奏、マリアッチ〜ランチェーラを枯れた哀愁のこもった歌い口で綴ったシンプルなアルバムかと。あのランチェーラの名歌手、ビセンテ・フェルナンデス(1940- )の息子として、6歳の時から父のショーに出演していたというアレハンドロですから、さもありなんということに。
が、アレハンドロ自身は90年代に入った頃から、トラッドなメキシコ歌謡ばかりでなく(マイアミのエミリオ・エステファンjrと組み)、いわゆるラテンPOP(バラーダやトロピカルなダンス曲など)を歌って北米市場にも進出、ビルボードやグラミー受賞にも名をつらねる人気歌手となっていて、ラテンPOPの世界ではフリオ・イグレシアスやリッキー・マーティンと並ぶ存在と言ってもイイでしょう。が、00年代に入ってからは、本作のような伝統仕立てのアルバムを改めてリリースするようになり、POPもトラッドも歌えるメキシコの大スターとして、累計3000万枚以上のCDを売って来たそう。そして前作ライヴ・アルバムから3年ぶりの本作、ま、通常、当店では品揃えしていない歌い手ですが、齢50を数えようというその円熟、ノルテーニョも交え、メキシコ歌謡に徹するように見えて今日的な感覚も聞かせるその節まわし、ちょっと無視するわけには行かないような気がして、ご紹介する次第。声質は似ていますが、男っぽいテノールを聞かせた父ビセンテのマチスモとはまた一つ違う、その細やかなアルトの歌声にこもる枯れた味わい、どのようなものでしょう?
ま、ジャケに写っている顔がなかなかイイから取ってみた、ということもあるんですが、

1.A Qué Sabe El Olvido 3:13
2.Caballero 3:49
3.Decepciones 3:44
4.Te Olvidé 3:06
5.Más No Puedo 3:42
6.Mudanza A La Luna 3:48
7.Por Tu Adiós 4:05
8.Mentí 3:17
9.La Mesa 20 2:41
10.Hasta En Mis Huesos 4:05
11.Nuestro Gran Secreto 2:24