PÉLICO / QUEM ME VIU, QUEM ME VÊ

トン・ゼーのアルバムへのゲスト参加やアンジェラ・ホー・ホー・カヴァーがTVドラマの主題歌に採用されたりというトピックを経て今作が4枚目。当店ではその抜きん出たポップ・センスから勝手に『サンパウロのトッド・ラングレン』と呼ばせていただいてます、S.S.W.のペリコ。クラウド・ファンディングで制作された4枚目のアルバム「Quem me viu, quem me vê」、昨年の終盤にサブ・スクリプションで配信を開始、つい先日よりブラジルにてCD製品の流通が始まった作品になります。このアルバム・タイトルはナラ・レオンの歌ったシコ・ブアルキ作の”Quem te viu, quem te vê”を彷彿とさせますが、二人称代名詞から一人称へと、”あなたを見る”から”私を見る”に代わっており、自身の体験や心象風景から滲み出たことばで語られる10の物語からなるアルバムです。

冒頭”Acerto de contas”に見られる思いの丈をぶつけたように丁度よい歪みを加えた唄声と、ピアノを背景にしたタイトル・トラックm-2″Quem me viu, quem me vê”のように、ロマンティシズムやメランコリーが同居したメロディー・メイカーとしての才。そしてクランチ・トーンからファズまでヴィンテージ感を醸し出す、プロデューサー – ヘジス・ダマシェノ(eg, シダダォン・インスチガード)のギター・ワーク。共同プロデューサーのドゥヂーニャは数曲でベースを担当。センチメントなブギーm-3″Nosso amor”や、フォーキーなm-4″Não procurava ninguém”、ネグロ・レオのゲスト参加したm-6″Descardamente”のように、トロピカリアやビートル・マナー、60’s〜70’sぽさを演出するサウンドのなか、ブリッジ部分で被さってくるアンドレー・リマの鍵盤の音色が2019年の現代的なエッセンスを感じさせます。先行シングルとして発表されたm-8″Louco por você”は快速マルシャにギターのカッティング、そして抜群のポップ・センスが炸裂したブラジルならではのキラー・チューン。(サプライヤーインフォより)