MARTIN HAYS, DENNIS CAHILL / WELCOME HERE AGAIN

★マーティン・ヘイズ&デニス・カヒル / ウェルカム・ヒア・アゲイン

アイリッシュ・ミュージックの演奏方法は、演奏者の数と同じくらい無数に存在します。解釈の柔軟性は、この音楽がもつ強みのひとつですし、誰もが自分だけの刻印を与えることができます。今回ぼくらは、あまりに過剰な技術的または楽理的アプローチを、避けるよう心がけました。代わりに示しているのは、音楽が秘めている無形世界――心と魂、感覚と直感によって支配される場所――に住む人間の姿です。アイリッシュ・ミュージックの演奏に際して必要とされる謙虚さは、この無形世界に入ろうとする不断の努力から、深い意味とともに醸し出されます。そしてメロディも、この世界において、その曲が喚起する情感への本能的な反応から形づくられていきます。このような情感こそが、ぼくらのくだす音楽的決断にとってゴールとなり、リトマス試験紙となります。各曲のテンポ、フレージング、装飾音、コーディング、そして編曲は、各曲の核となる情感を表出する目的で決定されました。結果的にどの曲も、単純で簡単なように聴こえるかもしれませんが、心の奥底からなにかが語りかけていることを、望んでやみません。
PJ・ヘイズとグウェン・セイルを偲び、このアルバムをふたりに捧げます。
by マーティン・ヘイズ

解説:茂木健

1. The Clare Reel
2. The High Jig
3. Lane To The Glen/Fahyユs [REELS]
4. The Dear Irish Boy [SLOW AIR]
5. The Night Poor Larry Was Stretched [SLIP JIG]
6. P. Joe’s Reel
7. An Rogaire Dubh [JIG]
8. Jenny’s Welcome To Charlie [REEL]
9. The Girl That Broke My Heart [REEL]
10. The Wind Swept Hill Of Tulla [SLOW AIR]
11. The Galtee Hunt [SET DANCE]
12. John Naughtonユs Green Mountain/Welcome Here Again [REELS]
13. Mulqueenユs [REEL]
14. The Booley House Jig [SLIP JIG]
15. O’Reilly’s Greyhound/Palmerユs Gate [REELS]
16. Coleman’s March
17. The New Post Office/The Pigeon On The Gate/The New Custom House [REELS]
18. Frank Keane’s [REEL]