DIMITRIS GAKIOPOULOS / CHRONIA TORA S’AGAPAO

テッサリア南東部、エーゲ海に面した港町、ヴォロスの民謡歌手、ヴァシリス・ガキオプールの息子、ディミトリス・ガキオプールの17年作初入荷です。いや〜、咽ぶようなバス・クラリネットに誘われて発せられる、ディミトリスのその浮遊感ある?ディープな節まわしに驚くことしきり。こんな優男(失礼)が、こんな歌をうたうヴォロスってどんな街なのか?といえば、オスマン・トルコが終焉を迎えた20世紀の前半、ポントスやカッパドキア、あるいはトラキアから多くの難民が流れ込み人口が急増した街だったそう。う〜ん、ということは、黒海沿岸やアナトリア、そしてバルカンから民謡が流れ込んだんでしょうか?それから100年のブレンデッド民謡なんでしょうか?
それとも、このヴォロス、19世紀末には4000人ぐらいしか住んでいなかったという海辺の寒村、だったらしいのですが(20世紀前半には約5万人、現在は約20万人)、その海沿いの寒村時代から続く民謡がこのディミトリス・ガキオプールの歌につながっているんでしょうか?となると、やっぱり、このヴォロス、内陸で山岳地帯を挟みながらも海づたいでつながっているペリフェリアは、イオニア海に面したイピロスの民謡につながっている可能性も考えられるわけですが、う〜ん…、コレもありうるでしょうね、というか一番信憑性がある?そのクラリネットの音色とか…。と、いろいろと想像を誘うほどに、この歌声、何かディープな地盤を感じさせる民謡唄いかと。


▽これは初めて!ディモーティカDUB!?