アナドル・ロックの隔世遺伝! オランダ在住のトルコ人女性歌手メルヴェと男性サズ奏者エルディンジが、3人のオランダ人ミュージシャンと結成したばかりの新バンド、アルトゥン・ギュン。「黄金の日」というバンド名が示すとおり、黄金時代のトルコ音楽〜アナドル・ロックや民謡の有名曲を、2010年代型ガレージ・サイケ風味満載のファンキー・ロックに仕上げています。イブラヒム・タトルセスの「Tatli Dile Guler Yuze」、エルキン・コライの「Cemalim」、アルパイの「Yekte」、ネシェット・エルタシュの「Çiçekler Ekiliyor」など、トルコ人なら誰もが知りながらも、海外では全く知られずにいた名曲群を新たな装いで聞かせてくれます。が、キャッチーなノリとは裏腹に、紅一点エルディンのキュートな歌声にも、どこかダウナーな表情をたたえるトルコ伝来のメリスマがよりそい、男性エレキ・サズ弾き語り、エルディンジが醸し出すハルク風味も、しっかり耳に残りますねえ。キャッチー&ファンキーな中にも滲むアナトリア風情、サラッと仕上がっているようでいて、なかなかコクのある聴き応え!…まあ、Dengue Feverのトルコ版と言いますか、こうしたローカル指向のガレージ〜サーフ系バンドは、世界的な潮流とも言えそうですが、そんな中でもアルトゥン・ギュン、トルコと欧州をまたにかけ、一味ちがう展開を見せてくれそう!*ANALOG 再入荷待ち