LUBOYNA & ISMAIL LUMANOVSKI / SHERBET LUBOYNA

大変、お待たせしました!
全然関係ないですけど、昔ビートルズの「ヘイ・ジュード」を聴いたとき、イイけど長い曲だなあと思ったものですが、このマケドニアのグループ、ルボイナ 2015年作の冒頭曲〜 “IZLEGU DA SE RASHETA” リンクの YOUTUBE ヴィデオ・クリップでは 4分半ぐらいですが、CD 収録のオリジナルは9分超えにもかかわらず、9分なんて長さは全然感じられなくて、4〜5分そこそこと感じられます。どーしてか? どーしてなんでしょうねえ…? それは、何とも、時間感覚を失うような芳醇な歌声と演奏とでも言いますか…、

バルカン中央内陸の国、山岳と丘陵の地、1991年にやっと独立を得たマケドニア〜スラブ+ギリシャ+ルメリア(exオスマン)+ジプシー、加えてブルガリア、セルビア、アルバニアなどに囲まれ、民俗的なモザイク&政治的な複雑さが想像される土地、そんな込み入った地域性、歴史&文化の交差点だからこそ醸し出される音楽の混交、その音楽的ブレンドの深さから香り立つ歌と器楽演奏が生み出す芳醇さ、これはなかなか奥が深い、というか、よくわからない。そのよくわからない感じが実に見事にワールド・ミュージック的な快感に繋がって行くんですねえこの場合? まったく、時間を忘れさせてくれるバルカンの楽園の音と聞こえます。

そして、その9分超えの冒頭曲、ことのほか印象的なのは、アコースティックなギター型ベースの醸す通低音のようにも聞こえるフレイズと、スラブ的な発声ながら、ルメリアとギリシャ的な節まわしが溶け込んだような女声ですね、やっぱり。で、成る程このルボイナ、08年以来、このベース & 女声=プロデュース兼作曲兼アレンジ兼ベース奏者のオリヴァー・ジョシフォフスキー & 紅一点の女性歌手、ヴェラ・ミロシェフスカを中心に、ややメンバーは流動的みたいですけど、アコーディオンやヴァイオリン、管楽器群含む大所帯バンドとして活動中だそう。スコピエ、ザグレブ〜バルカン全域、そして欧州はもとより、メルボルンやNYでもコンサート活動を行っている模様、本作が(ライヴ盤を含めると)5作目となるようです。

これまではバルカン・ブラスを主体にした作品が多かったと思われますが(12年の4作目はそのものズバリ “Brass Fantasy”というタイトルでした)、今作はギリシャ西部から〜北マケドニア、アルバニアといった地域においてよく聞かれるクラリネット(by ゲストのイスマイル・ルマノフスキー)&弦楽器アンサンブルを主体とした山岳部スタイル?の演奏において、バルカンならではの様々な要素が混淆した音楽性を聞かせてくれるわけですね。

初回入荷時には、たった1泊2日で30枚!早々に売り切れてしまったので…今回はお見逃し無く!

とある深夜、偶然、行き当たったこのクリップを見て断然売りたくなり、当って砕けろと即メールしたんですね、で、ご本人達、切に来日公演を祈っているそう(どなたか、12・3人の飛行機代とホテル代ぐらいなら出すぞ!という方、いらっしゃいますでしょーか? 来日決まったら、当然国内盤リリースして、公演について回ってガッチリ即売しますよ!店休んで…)。

▽素晴らしい!

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